まず、
二元代表制のもとでともに市政の発展に取り組む
市議会議員の皆様におかれましては、日ごろより多大なるご尽力をいただいておりますことに深く敬意を表する次第です。あわせて皆様方からさまざまな場面におきまして温かいご支援をいただいておりますことに、心から厚く御礼申し上げます。
私が市長に就任してから間もなく8年目を迎え、2期目の総仕上げの年になります。この間、生まれ育った
ふるさと明石への熱い思いを胸に、まちのさらなる発展に向け、強い決意で
市民目線の
市政運営に取り組んでまいりました。
時代状況や国内外の大きな流れに鑑み、国や県の動きをただ漫然と待つことなく、市民に最も近い自治体として、人にやさしい政策を迅速かつ総合的に推進してきたところです。
とりわけ、
子どもの医療費や第2子以降の保育料の
完全無料化、
待機児童の解消を初めとするこどもを核とした
まちづくりに力を注いでまいりました。また、
障害者配慮条例や
手話言語・
障害者コミュニケーション条例の制定、さらには無戸籍者や
犯罪被害者への支援など、
障害者、
子ども、
高齢者を初め、誰もが安心して暮らすことができるやさしいまち・明石の実現に向け、市民に寄り添った温かい施策の実施に努めてきたところです。
こうした本市の「ひと」を大切にした施策の積極的な展開は、多くの人々に選んでいただけるまちの魅力ともなり、近年の加速度的な
人口増加という大きな成果にもつながってまいりました。人口の増加に伴い、
市税収入の増加やまちの
にぎわいの向上、また
地域経済の活性化など、さまざまな場面におきまして
波及効果があらわれており、着実に
拡大傾向にあります。
明石市では、やさしい施策の重点的な展開により、今まさにまちの好循環が拡大し、まちがどんどんよくなり、さらに発展しつつあると確かな手応えを実感しているところです。これからの
地域社会のあるべき姿をしっかりと示し、全国のモデルとなる普遍的な施策を先駆的に実施し、幅広く発信し続けてきたことにより、本市の
まちづくりは国や他の
市区町村、また多くの方々から大いに注目されております。本市のやさしい
取り組みが人々の心を動かし、この明石の地からやさしい社会に向けた動きが大きく広がりつつあるところです。私はこれに意を強くし、やさしい社会の実現につながる
まちづくりを、今後さらに加速させてまいりたいと考えております。
本市の人口は、平成11年をピークに、長らく減少、
停滞傾向が続いておりました。しかしながら、平成25年からは一転、5年連続で増加しております。昨年は毎月200人近くの市民がふえ続けたことに伴い、本市の総人口につきましては、昨年、18年ぶりに過去
最高人数を更新いたしました。本年に入りましても順調に
拡大傾向は続いており、2月1日時点の人口は29万6,707人となっております。また、昨年は前年の3倍以上、一昨年の5倍近くとなる急激な人口の伸びとなりました。昨年1年間の増加数は2,380人となり、関西では大阪市に次ぐ2番目、全国では11番目となっております。近年は特に20歳代後半、30歳代と、ゼロ歳から9歳までの年齢層がふえており、若い
子育て世帯を中心に転入者の増加が続いているところです。また、出生数につきましても、全国的に少子化が進展し、
減少傾向が続く中、本市では平成27年から出生数が増加に転じており、昨年の
出生人数は2,730人と3年連続で増加しております。
子どもを産み育てたいまちとして、また、住みたい、住み続けたいまちとして、多くの人々に明石が選ばれ、着実に人口が増加しており、このことがまちの
にぎわいの拡大となり、持続的な発展につながる喜ばしい状況が続いております。
長らく下落が続いていた明石の
公示地価は、平成26年から
上向き傾向となり、また市の税収につきましても、
個人市民税や
固定資産税の増により、平成25年度から6年連続で伸びが続くなど、
人口増加が継続、拡大するに伴い、
地域経済や市の財政への好影響も順調に拡大してまいりました。
さらに喜ばしいことに、明るい話題も数多く続いているところです。明石の玄関口である
明石駅前の一等地には、待望の新たな
市民図書館を開設して1年が経過いたしました。来館者は100万人を超え、前年の約4倍、また本の
貸し出し冊数も約2倍と大きく利用が伸びております。利便性の高さもあり、また
明石公園を一望できる景観も相まって、通い続けたくなる文化の薫り高い空間として市内外の多くの方々に親しまれ、
大変好評を博しているところです。本の
まち明石を象徴する文化の拠点として、多くの市民が日常的に本に親しみ、幅広い世代の皆さんの心や日々の生活がより豊かなものとなるよう、今後もさらに充実を図ってまいります。
同じく
明石駅前に設置いたしました
あかしこども広場につきましても、
子どもを健やかに育むとともに、子育てを幅広くサポートする場として、
子どもや
子育て層の間にしっかりと位置づいております。連日多くの親子が訪れる人気の施設として大いに
にぎわい、楽しくご利用いただいているところです。
再
開発ビル全体につきましては、高い評価の
公共施設を初め、
駅前広場の再整備などと相まって、駅前の再
開発ビルにはオープンしてから延べ800万人の方々が訪れるなど、同ビルを中核とする
周辺地区を訪れる方は以前に比べ約4割増加し、
波及効果が着実にあらわれています。さらには、明石のまちの魅力が向上し、まちの
にぎわいと元気の向上へと確かな広がりを見せております。
また、昨年11月には、ご
当地グルメを通じた全国的な
まちおこしの祭典、2017
西日本B−1
グランプリin明石を
明石公園で開催し、各地から大勢の方々にお越しいただき、大変な活況となりました。やさしいB−1
グランプリをテーマに、世代や障害の有無にかかわらず誰もが参加しやすい
イベントとしてさまざまな配慮を提供し、障害の当事者は運営を支えるスタッフとして、あるいは観客として、各自の思いに応じて大会に参加いただきました。2日間にわたり1,000人を超える
ボランティアの協力も得て、まちのみんなで一緒につくるやさしい大会となり、これからのやさしい社会につながる大きな成果をおさめることができました。私は、こうしたやさしいまちへの
取り組みやまちの
にぎわいを、市域全体への活性化につなげ、まち全体にやさしさと、元気や笑顔を広げ、明石のまちをさらに発展させていきたいと強く意識しております。
大変うれしいことに、これまで
地区ごとに差があった人口の増減につきましても、昨年、市内の全地区で増加となりました。各地域で
にぎわいがふえ、活気のある明るい雰囲気が広がっています。今後も
市内全域の活性化を目指し、
市民ニーズに寄り添いながら、新年度も積極的かつ重点的な
施策展開を図ってまいります。
本市は、本年4月中核市となり、まちとして一段上の新たなステージに移行いたします。言うまでもなく、移行の目的は
市民サービスのさらなる向上であります。移行に当たりましては、財源の確保や職員の配置など、さまざまな課題はありましたが、市民第一の考えのもと、中核市への移行に
取り組みました。おかげさまで市議会のご理解はもとより、県のご協力をいただきながら、全庁一丸となって
取り組み、いよいよ実現する運びとなりました。中核市への移行により、県から2,000項目に及ぶ事務が移譲され、市の権限と責任が大幅に拡大いたします。このことを単なる県から市への窓口の変更で終わらせることなく、既に市で実施している事務を合わせ、よりきめ細やかな質の高い
市民サービスの提供につなげてまいります。
主な
取り組みといたしまして、まず4月から市立の
あかし保健所を開設し、運営を開始いたします。一人一人の命と健康を
地域一体で支えるを
基本方針として、これまでの県の保健所と市の
保健センターの業務を一元化し、効率化を図ることにより、感染症や食中毒への対応を強化するとともに、地域で活動するさまざまな
関係機関と連携し、
難病患者や
精神障害者の
地域生活を積極的に支援するなど、迅速かつ質の高い
保健衛生サービスを提供してまいります。
また、人と動物の共生によるぬくもりとやすらぎのある
まち明石を
基本方針とした、(仮称)
あかし動物センターを設置し、運営を開始いたします。犬や猫の引き取りや
返還譲渡など、動物の命を大切にしながら、人も動物もともに住みやすいまちの実現に向け、施策を展開してまいります。
さらに、来年4月には関西の中核市では初となる
児童相談所を開設いたします。明石の
子どもは明石で守るの強い信念のもと、
子どもの命と権利、未来を守る
セーフティーネットとして有効に機能できるよう、
施設整備と
体制確立の両面において着実に準備を進めているところです。一人一人の
子どもに行政として、また、まち全体でしっかりと責任を持ち、全ての
子どもが健やかに育つ日本を代表するまちとして、これからも全力で、真摯に
取り組みを進めてまいります。
次に、やさしい
まちづくりです。本市では、
高齢者や
子ども、また障害の有無などにかかわらず、誰もが暮らしやすい
共生社会の実現に向けた
取り組みを行政のとりわけ重要な責務として重点的に推進してまいりました。全国初の
手話言語・
障害者コミュニケーション条例の制定や、
障害者への
合理的配慮の促進、また先般、
日本財団の協力を得て、全国の自治体で初となる
手話フォンの設置など、他都市に先駆け積極的な
施策展開を進めてきたところです。
さらには、2020年の
東京オリンピック・
パラリンピック大会を契機に、
ユニバーサルデザインの
まちづくりと心のバリアフリーに向け、
地域主導で先進的かつ総合的な
取り組みを実施する自治体として、昨年12月、国から
共生社会ホストタウンに登録されました。全国で6つの
登録自治体のうち、関西では
唯一明石市が登録されています。これを機に、やさしい
まちづくりをこれからさらに加速してまいります。
そこで、新年度は4つの重点的な
取り組みを進めてまいります。
子どもに関する分野におきましては、まず
待機児童完全解消プロジェクトを最優先で
取り組みます。本市では、人口も赤ちゃんもふえ、非常にありがたい状況です。反面、
待機児童の解消につきましては待ったなしの状況にあります。今後の
幼児教育の無償化や
子育て世帯の転入増など、
保育需要のさらなる拡大の流れも踏まえ、新年度中に2,000人規模の受入枠の拡充を行い、来年4月の
待機児童の
完全解消を目指してまいります。このため、
JT跡地や
卸売市場の一部を活用し、市有地における大
規模保育所の整備や、
市立幼稚園における3歳児保育と預かり保育の拡充を行います。あわせて、保育の質をしっかりと確保するため、
保育士の
処遇改善などのさまざまな
保育士確保策を継続するとともに、新たに(仮称)
保育士総合サポートセンターを設置するなど、
保育士の確保と質の向上に継続して取り組んでまいります。
なお、
保育士の確保につきましては、
待機児童対策を図る中で根幹となる極めて重要な課題でありますことから、今後も国、県はもとより、他都市の動向等を注視しながら、さらなる充実・拡大に向けて前向きな検討と速やかな実施を行ってまいりたいと考えております。
2点目は、やさしい社会の実現に向けた、やさしい
まちプロジェクトです。
犯罪被害者等に対する支援につきましては、新たに
損害賠償請求権の
消滅時効を中断させるための再提訴等に係る費用を支援するとともに、
立替支援金の拡充を図るなど、
犯罪被害者等が受けた被害を軽減、回復し、当事者の視点に立った支援の充実を図ります。また、
共生社会の実現に向け、誰もが暮らしやすい
まちづくりを一層推進してまいります。
市民参加型の
ユニバーサルモニター制度の活用や、
ユニバーサル交流イベントの実施、さらには市民への
啓発講演会、事業者への
理解研修など、幅広い層に向けた
取り組みを継続的に実施してまいります。
ハード面、
ソフト面のそれぞれで
取り組みが深まるよう、ハードも大事、ハートも大事をしっかりと意識しながら、施策を展開してまいります。
更生支援につきましては、罪を犯したことで社会から孤立し、再犯に至ることのないよう、
関係機関と連携し、支援を必要とする人によりきめ細やかな対応を行うとともに、地域と一緒に実効性がある支援を行うため、全国初となる
再犯防止・
更生支援条例の制定を目指し、検討を積み重ねてまいります。
さらに、誰もが安心して地域で暮らすことのできるやさしい社会の実現に向け、
日常生活において困難な状況にある市民を総合的、包括的に支える
地域総合支援センターを市内6カ所で本格稼働いたします。
高齢者や
障害者、
子どもなどに関する相談を分野横断的に対応するとともに、
公的支援と
地域住民による支え合いが連動した体制を整備いたします。
また、
認知症対策を拡充し、新たな支援策を実施いたします。認知症を早期に発見し、速やかに適切な医療、介護へつなげる
支援事業を開始いたします。
加えて、
認知症高齢者等を介護する家族の
負担軽減につながるよう、緊急時にショートステイが利用できる
介護体制を整えてまいります。
そして、誰もが安全で快適に鉄道を利用できるよう、
市内鉄道駅への
ホームドアの設置を促進してまいります。新年度は
JR明石駅3、4番線での
昇降式ホーム柵の工事に着手するとともに、
JR西明石駅5、6番線での設置に向けた
取り組みを開始いたします。
次に、3点目は、食を通じた
セーフティーネットを充実、拡大するみんなの
給食プロジェクトです。
本年4月から本格稼働する
中学校給食センターを活用し、
高齢者などにも温かい食事を提供するとともに、生活面と健康面を見守る
取り組みを実施してまいります。まず新年度は、
モデル事業として、
ひとり暮らし高齢者等への
昼食提供を開始し、見守りや
孤立防止に加え、
精神的ケア、
介護予防にもつなげてまいります。
4点目は、
情報発信の分野における、やさしいまち・明石の
創造発信です。
来年の
市制施行100周年、また
明石城築城400周年に向け、まちの
にぎわいや市全体での機運を高めていくとともに、B−1
グランプリ全国大会の誘致に向けた検討など、準備を進めてまいります。
また、
出前講座を初めさまざまな
取り組みを通じ、市内外の幅広い世代に明石のまちの魅力ややさしい
まちづくりを発信いたします。明石への関心を高め、愛着を深めてもらい、明石のまちのサポーターを1人でも多くふやすことで、やさしさが明石から広がり、次の世代にもつながるよう努めてまいります。
これらの重点的な
取り組みに加え、暮らしやすいやさしいまちに向けた主な
取り組みにつきまして、
分野ごとに紹介いたします。
まず、健康・
福祉分野です。
こどもを核とした
まちづくりを引き続き重点的に推進していくとともに、誰もが安心して暮らすことができる環境を整えてまいります。
全ての
子どもの健やかな育ちを応援する新たな組織として、(仮称)
あかしこども財団を設立いたします。
こども食堂の
運営支援や里親、
ボランティアの育成を行うとともに、行政、地域、
民間団体等をつなぎ、
子どもを総合的に支援するネットワークの構築を行ってまいります。
明石で暮らす全ての
子どもが、より家庭的な環境で生活できるよう、1人でも多くの方に里親になっていただくため、
里親スタート支援や
里親コンシェルジュ活動の強化など、里親への
個別支援体制を充実いたします。加えて、
関係機関との
連携強化を図るとともに、フォーラムの開催など、幅広い
啓発活動を展開することにより、就学前の
乳幼児里親委託率100%を目指してまいります。
また、妊娠期から切れ目のない
子ども・
子育て支援をさらに強化し、現在行っている全妊婦の面接、
妊婦相談や訪問、
新生児訪問に加え、新たにデイサービス型と
アウトリーチ型の産前産後
サポート事業を開始いたします。
また、
新生児訪問において質問票を活用した支援を行い、母親の心身の
健康維持と
子どもの健やかな成長を支えてまいります。
さらに、
ひとり親家庭における生活の安定と
自立促進、また児童の健やかな成長のため、
児童扶養手当の毎月支給となる
貸付事業を行うとともに、
家庭訪問型の
相談支援や、
家庭育児支援の実施など、
日常生活における支援を拡充いたします。
また、
障害者等の
歯科診療につきまして、
既存設備の老朽化と当事者のニーズを踏まえ、
市民病院の敷地内に移転し、診療時間の拡充や
市民病院との連携を図るなど、
診療体制の一層の充実に向けた検討を進めてまいります。
次に、教育・文化分野です。
これからの明石を担う
子どもたちが健やかに成長し、
ふるさと明石から未来に羽ばたくことができるよう、きめ細やかで質の高い教育環境を整えてまいります。
本年4月からは、市内の全中学校におきまして給食を開始いたします。成長期にある全ての中学生にバランスのとれた温かい昼食を提供するとともに、食事に関する正しい知識や望ましい食習慣を養うなど、食育の推進も図ってまいります。
本の
まち明石の
取り組みにつきましては、誰でも、いつでも、どこでも手を伸ばせば本に届く本の
まちづくりをより一層拡充してまいります。
乳児の4カ月健診時における絵本の読み聞かせなど、赤ちゃんの心を育むブックスタートに加え、新たに3歳児健診時に相談を行いながら絵本を手渡すブックセカンドや、幼稚園教諭・
保育士を対象とした明石市オリジナルの、(仮称)保育絵本士の養成を開始いたします。
また、
子どもたちの本に出会う機会をふやすため、希望する放課後児童クラブへ図書館から本を貸し出し、クラブの間で循環させる放課後ブックサークルを本格的に開始いたします。
さらに、本を通じて文化の薫り高い
まちづくりを促進するため、(仮称)本のまち推進委員会を創設し、条例の制定に向けた
取り組みを進めてまいります。
地域ぐるみで
子どもの豊かな学びと健やかな育ちを支える活動につきましては、地域、家庭、学校が連携して
子どもたちの健全な育成を推進するコミュニティ・スクールを実施する小学校を拡大してまいります。
また、全ての児童が放課後等を安全、安心に過ごせるよう、放課後児童クラブにつきまして、夏休み期間の対応を拡充するなど、育成内容の充実と運営体制の強化を図ってまいります。
加えて、いじめや不登校、虐待、貧困など、
子どものさまざまな状況に対応し、
子どもが安心して学び、将来の夢に向かって挑戦できるよう、支援体制を拡充いたします。
さらには、新年度から中核市移行により教職員の研修権が市に移譲されます。明石の
子どもたちを育む、より質の高い教育の提供を目指すとともに、
子どもたちを取り巻くさまざまな教育課題への適切な対応ができるよう、教育部門だけでなく市の各局とも連携し、効果的な研修を実施してまいります。
次に、産業・観光分野です。
明石のまちのさらなる活性化に向けて、明石の強みである地域資源を有効に活用してまいります。
明石の農水産品のブランド力をより一層向上させるために、国内はもとより海外での食
イベント等に積極的に参加し、明石産品や明石の食文化に関する
情報発信に努めてまいります。
また、地産地消などの消費拡大に加え、
関係機関とも連携を深め、引き続き東南アジアでの流通の拡大を図るなど、販路の一層の拡大と強化を目指してまいります。
次に、生活・環境分野です。
地域の特性に応じた小学校区単位の
まちづくりを一層推進していくため、地域に根差した活動の拠点となるよう、小学校区コミセンの地域移管を推進してまいります。
また、現在のごみ処理施設の老朽化への対応といたしまして、将来にわたるトータルコストの低減も考慮し、旧大久保清掃工場跡地における新たな処理施設の建設に向けて
取り組みを進めてまいります。
消費者被害につきましては、誰もが無関係ではなく、ますます複雑多様化しており、市民の生活に重大な影響を及ぼします。市民一人一人をしっかりと守るため、消費生活相談をより専門性の高い充実したものとするとともに、
高齢者を対象とした
出前講座、若年層からの啓発の実施など、消費者行政の一層の強化を図ってまいります。
次に、都市基盤整備分野です。
西明石におきましては、地域共通の課題の解決に向け、まず旧国鉄清算事業団用地の具体的な活用について、JR西日本など
関係機関との協議を進めてまいります。
また、西明石地区や大久保地区における渋滞緩和を図るため、山手環状線や江井ヶ島松陰新田線の整備を進めるなど、都市交通の円滑化に向け、幹線道路の整備を進めてまいります。
魚住地区におきましては、ため池の再整備により生み出された約5.4ヘクタールの土地を活用し、球技場や各種スポーツのできる多目的広場等を備えた運動公園を整備し、市民の憩いの場を創出いたします。
住宅密集地等におきましては、良好な住環境と安全性を確保するため、狭隘道路の改善に向けた整備を拡充してまいります。
また、JRの南畑踏切につきましては、代替施設としてエレベーターつきの横断歩道橋の整備に向けて取り組むなど、市内の踏切の安全対策を順次進めてまいります。
最後に、行政経営分野です。
今年度取得した大久保の
JT跡地につきましては、
市民サービスの向上のため有効に活用し、公共公益施設を整備するとともに、良好な住環境を誘導するなど、周辺と調和のとれた
まちづくりを進めてまいります。
ふるさと納税につきましては、返礼品のラインナップを強化し、明石を代表する産品や市内企業の優良製品などにより、明石の魅力を全国の方々に実感していただくとともに、明石の応援団をふやすことで歳入の確保にもつなげてまいります。
また、本年1月1日現在の住民基本台帳人口が30万人以上となったことから、政令で事業所税の課税団体に指定され、7月より課税を開始することとなりました。対象となる事業者には丁寧に周知を行い、円滑な運用に努めてまいります。
こうしたさまざまな
取り組みにより、明石のまちの魅力を拡充し、
にぎわいと笑顔のあふれる明石であり続けるためには、持続可能な行財政構造を構築し、今後も中長期的な収支均衡を図る必要があります。そのため、選ばれるまちに向けた施策を積極的に展開し、まちの
にぎわいや経済の活性化による一層の税収の確保を図ります。
また、一方で新年度から学校、幼稚園、保育所等132の市有施設を包括的に管理する委託制度を導入するなど、経費のさらなる削減に
取り組み、財政の健全化を進めます。
また、市の組織体制につきましては、中核市として円滑に行政運営ができるよう、昨年4月に大幅な組織改正を行い、滞りなく準備を進めてまいりました。社会状況の変化に伴い多様化する市民の期待に応え続けるため、組織体制の見直し、集約化等につきましては、今後も機を逃すことなく適宜実施し、常に効率的・効果的な形へと改善を図り、より一層の
市民サービスの充実に努めてまいります。
平成30年度の予算の全体像につきましては、一般会計予算では歳入の基本となる
市税収入が6年連続で増加するなど、一般財源の増加が見込まれます。
一方で歳出につきましては、中核市移行に関係する経費や
JT跡地の取得に要する経費、
待機児童緊急対策に要する保育所等運営・整備費の増加等により、過去最大規模の予算となっております。
平成30年度の予算総額につきましては、
一般会計 109,350,269千円
特別会計 67,980,770千円
企業会計 22,322,195千円
合 計 199,653,234千円
としております。
本市は4月から中核市として新たなステージに移行し、より幅広い分野で権限と責任を持ち、市民に身近なところで質の高い総合的な
市民サービスが提供できる自治体となります。今後、さらに安定してまちを発展させ、より暮らしやすいまち、そして誇りを持って住み続けたいと思えるまちをつくることへの責任の重さを改めて強く感じているところです。
来年は
市制施行100周年、
明石城築城400周年を迎え、その翌年には
東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。これから歴史的な節目を迎えるに当たり、市民とともに
取り組みをさらに加速させてまいります。
とりわけ本市のやさしい
まちづくりが、今の市民はもとより次の世代へ、また各地へと大きく広がり、まちや人々の明るい未来につながるよう、着実に成果を積み重ねてまいりたいと考えております。
このため、議会を初め市民のご理解をしっかりいただきながら、国や県との緊密な連携をより一層確かなものとし、同じ思いを抱く
関係機関や各自治体とも手を携え、連携を深めながら、ともに力強く前に進んでいく決意であります。
皆様におかれましては、引き続きお力添えを賜りますよう改めてお願い申し上げます。
以上、平成30年度の予算の提案に当たり、予算案の大要と所信の一端について申し上げました。どうかご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
続きまして、条例議案22件、補正予算議案8件、契約議案1件及びその他の議案4件の概要につきましてご説明申し上げます。
まず、条例議案でありますが、明石市大蔵海岸民活施設用地管理基金を設置すること及び住宅宿泊事業の実施の制限に関し必要な事項等を定めることにつき、新たに条例を制定しようとするもの、明石市
子ども・子育て会議の廃止及び大蔵海岸整備事業の廃止に伴い、これらの会議及び事業の設置について定めた条例を廃止しようとするもの、中核市への移行に際し事務分掌の見直しを行うこと、介護保険給付費準備基金を処分できる事由を拡大すること、事業所税の課税開始に伴い所要の整備を図ること、
あかし男女共同参画センター及び明石市生涯学習センターの利用料金を見直すこと、国民健康保険事業の都道府県単位化に伴い保険料の資産割を廃止すること、介護保険事業計画の見直しに伴う介護保険料率の改定を行うこと、
立替支援金の支給対象となる
犯罪被害者等の範囲を拡大すること、園芸施設共済に危険段階別の共済掛金率を導入すること、幼稚園教諭の給料の水準を
保育士の給料の水準に合わせること、学校職員の特殊勤務手当の支給額を改定すること並びに一般職の職員の退職手当の支給水準を引き下げることのほか、法令改正に伴う所要の整備を図ることにつき、条例の一部を改正しようとするものであります。
次に、補正予算議案でありますが、一般会計のほか、葬祭事業などの4つの特別会計、水道事業会計など3つの企業会計において、それぞれの執行見込み等に基づき予算の補正を行おうとするものであります。
続いて契約議案でありますが、(仮称)明石こどもセンター新築(建築)工事について請負契約を締結しようとするものであります。
その他の議案といたしましては、住宅新築資金等貸付金に係る債権を放棄しようとするもの、平成30年度包括外部監査契約を締結しようとするもの、町及び字の区域を変更するとともに、字を廃止しようとするもの並びに市道路線の認定をしようとするものであります。
最後に、報告6件でありますが、議会の議決を受けた工事請負契約の一部変更並びに交通事故、道路上の事故及び損壊事故に係る損害賠償額の決定につき専決処分を行ったものについて、それぞれお手元の資料のとおりご報告申し上げます。
以上、今回ご提案いたしました各議案につきまして、提案の趣旨等をご説明申し上げました。
何とぞ意のあるところをお酌み取りいただき、ご審議の上、ご賛同賜りますようよろしくお願い申し上げる次第であります。よろしくお願い申し上げます。
○議長(三好 宏) 以上をもちまして、
施政方針及び上程中の各議案に対する説明は終わりました。
なお、これら議案に対する質疑につきましては、次回再開時にお願いすることといたしますので、ご了承願います。