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06月11日-02号

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  1. 呉市議会 1996-06-11
    06月11日-02号


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    最終取得日: 2021-09-02
    平成 8年第2回 6月定例会       平成8年第2回(定例会) 呉市議会会議録 第155号 平成8年6月11日(火曜日)呉市議会議事堂において開議(第2日) 出席議員       1番  久 保  正 治 君       2番  中 本  邦 雄 君       3番  下 西  幸 雄 君       4番  吉 本  明 人 君       5番  重 盛  親 聖 君       6番  森 岡  淑 子 君       7番  舛 野  茂 樹 君       8番  佐々木    晃 君       9番  橋 本  良 久 君       10番  岡 崎  和 広 君       11番  石 崎  元 成 君       12番  神 田  隆 彦 君       13番  谷 本  誠 一 君       14番  宮    政 利 君       15番  山 上  文 恵 君       16番  小 野  一 志 君       18番  小 泉  曙 臣 君       20番  荒 川  五 郎 君       21番  岩 原    椋 君       22番  薬研地    馨 君       23番  竹 川  和 登 君       24番  木 下  正 弘 君       25番  島 本  隆 視 君       26番  中 島    確 君       28番  奥 田  和 夫 君       29番  玉 谷  浄 子 君       30番  平 本  和 夫 君       31番  佐々木  一 登 君       32番  中 田  清 和 君       33番  小 田  元 正 君       34番  渡 辺    隆 君       35番  増 本  勝 己 君       36番  石 山    講 君       37番  下 原  征二郎 君       38番  浜 下    積 君 欠席議員       17番  得 田  正 明 君       19番  葛 原  靖 男 君 説明員  市長       小笠原  臣 也 君  助役       川 崎  初太郎 君  助役       沼 田  敏 樹 君  収入役      舩 尾  忠 満 君  企画管理部長   前 田  明 則 君  総務部長     久 保  嘉 廣 君  秘書課長     一 柳  健 二 君  総務課長     下 田  昌 人 君  海事博物館推進室長井 上  洋 一 君  税務部長     芳 野  公 宏 君  市民部長     池 浦  修 三 君  福祉保健部長   堀    久 真 君  生活環境部長   矢 口  孝 文 君  経済部長     田 邊  俊 彦 君  建設局長     天 畠  義 宗 君  建設管理部長   広 田  左 一 君  都市部長     椋 田  正 範 君  土木建設部長   西 脇  一 夫 君  港湾部長     村 上  義 則 君  下水道部長    奥 田  正 典 君  幹線道路対策室長 貞 国  信 忠 君  呉新世紀の丘推進対策室長           山 本  久 司 君  消防長      畝    一 公 君  水道企業管理者  徳 本    威 君  業務部長     濱 口  新 吾 君  工務部長     沖 野  充 正 君  交通企業管理者  岡 田  督 司 君  次長       畠 山  一 雄 君  教育長      森      功 君  社会教育部長   田 中    浩 君  国体事務局長   加 納  俊 明 君  学校教育部長   細 川  正 之 君 議会事務局職員  事務局長     藤 本  義 矩 君  庶務課長     芝 山  公 英 君  議事課長     大 野  和 史 君  議事係長     松 沢  正 佳 君  調査記録係長   河 内    実 君     ──────────────────────────────           議  事  日  程 (第 2 号)                       (平成8年6月11日 午前10時開議) 第1 橋本良久君の一般質問 第2 石崎元成君の一般質問 第3 森岡淑子君の一般質問     ────────────────────────────── 会議に付した事件  日程のとおり   橋本良久君の一般質問   1 長期基本構想素案の策定に当たって    (1) 昨年一年間点検して、呉市のかかえている課題を、どのようにとらえているか。   2 行政改革の今年度の取り組みについて    (1) 事務処理マニュアル    (2) 情報化推進体制の整備    (3) 時間外勤務の縮減    (4) 他の組織での研修の実施   3 救急体制医療体制について    (1) 現有資格の状況と隊員の配置並びに今後の取り組み    (2) 車両の配備と今後の対策    (3) 職員定数の見直し    (4) 救急指定病院を含めたサブ医療圏の見直し   石崎元成君の一般質問   1 長期基本構想の策定について    (1) 呉市総合計画審議会のあり方    (2) 市民ニーズはどのように把握されているか   2 生涯学習社会の実現に向けて    (1) 生涯学習の現状    (2) 生涯学習の将来   3 「真の差別撤廃」に向けて    (1) 終結宣言はいつするのか    (2) 実態調査を踏まえて今後の施策について   4 「大呉市」再生はなりうるか    (1) 広域の「へそ」の役割    (2) 職員の意識改革    (3) 「大呉市」のシンボルは   森岡淑子君の一般質問   1 歴史の見える観光事業について    (1) 海事博物館の具体像と設置場所    (2) 観光ルート(観光バス、観光遊覧船)の新設   2 学校と地域のあり方について    (1) 教員の意識改革の必要性    (2) 学校開放の推進    (3) 地域の人達とのかかわり方   3 高齢者福祉について    (1) 福祉会館の利用計画    (2) いきいきライフをおくる為に     ──────────────────────────────            午前10時02分     開   議 ○議長(増本勝己君) これより本日の会議を開きます。 この際申し上げます。 報道関係者から写真撮影の申し出がありますので、これを許可いたします。 この際、本日の会議録署名者として9番橋本君、13番谷本君を指名いたします。     ────────────────────────────── △日程第1 橋本良久君の一般質問 ○議長(増本勝己君) 日程に入ります。 日程第1、橋本君の一般質問を議題といたします。 9番橋本君。     〔9番橋本良久君登壇、拍手〕 ◆9番(橋本良久君) 誠志会を代表して質問させていただきます。 21世紀を目前にして、日本国内はもちろん、すべての世界情勢がますます混迷の度合いを深めつつある現在、呉市民としてもう一度原点に返って見詰め直す必要が大いにあるのではないでしょうか。 ここで少し歴史の話になりますが、今から780年ほど前、歌人鴨長明が書き残した随筆集「方丈記」は次のような書き出しで始まっております。「ゆく川の流れは絶えずして しかももとの水にあらず よどみに浮かぶうたかたは かつ消え かつ結びて ひさしくとどまりたるためしなし 世の中にある人とすみかと またかくのごとし」。当時、京の都にあって栄華の限りを尽くした平家一門が滅亡し、源頼朝が天下を制して、鎌倉に幕府を開設いたします。長明はそうした有為転変の時代的背景と自らの人生を重ね合わせ、人間の一生というものを時の流れの中で浮沈を繰り返しながら消えていく、はかないうたかたにとらえようとしたものだと思われます。また同時に、今の日本が、そして日本人である私たちが、余りにもうたかた、すなわち目先の小事にこだわって、大局的視点を失いつつあることを、特に自覚しておかなければいけないためでもあると思うのです。 既にお気づきのように、長明が指摘しました「うたかた」とは、今でいうバブルのことでございます。現在、バブルの発生とそれが生み出した混乱を収拾していく責任を、政治や行政や金融機関だけに押しつけて、また、その中からスケープゴートをつくり出すことで事を終わらせてはなりませんし、また終わるはずもないと思うのです。一日も早くそうしたバブルを解消し、経済全体の流れを正常なものに戻していかない限り、日本経済に明日はないという危機への認識が不可欠であり、私どもの生活そのものがバブルと化し、あるいは、うたかたそのものと化してしまっていることに対しての強い自省、自戒が必要ではないでしょうか。 しかしながら今日、余りにも多くの日本人が、こうした問題に限らず、何事に対しても傍観者であるか、目先の利害だけに目を奪われ、国家の運命をも左右しかねない大局、すなわち大きな川の流れを見誤まろうとしているようにも思えてなりません。現在の日本人、生活の不安がなくなったことでおごりが生じて、結果、個人的な利害得失については必要以上に敏感であっても、公共的損失、もしくは危機については、全くと言っていいほど無関心な状況をつくり出しているのが現状ではないでしょうか。ある外国特派員の報道の中で、「国民に危機意識のないことが日本にとっての最大の危機だ」とも報じております。私は特に感じるのです。市民1人1人がいま一度人間としての原点に返って、将来の呉市を考えてみる必要が大いにあるものと思うのです。 さて、そこで呉市におきましても、昭和48年に策定されました呉市長期総合計画は、昭和60年に呉市長期基本構想へと引き継がれ、現在に至っており、今回平成22年を目標に点検、見直しをされることとなりました。先般、総合計画審議会が開催され、策定スケジュールも決まり、9月末には長期基本構想素案策定の予定となっているようです。昨年の1年間をかけて点検され、これから方向づけをされていかれるようですけれども、21世紀初頭にかけ、呉市民が夢と希望を抱くことができるような明るい光を照らしていける、そんな構想となるように望んでいるところでございます。 長期基本構想素案の策定に当たって、昨年1年間をかけて点検してこられたことでしょうが、呉市の抱えている課題をどのようにとらえておられるのか、市長にお伺いいたします。 次に、呉市行政改革についてお伺いいたします。 現在、世界に目をやりますと、社会経済情勢の変化は大変厳しいものがあり、日本経済もその流れの中で、自動車、造船等不況産業の傾向を呈し、経済構造の抜本的改革を行っていかなければならない時期に来ていると思います。一方、地方行政においては、多様化するニーズ、地方分権の流れ、生活環境の高まり等地方行政を取り巻く環境は極めて厳しいものになっているのは皆さんも御周知のとおりです。 呉市も、決意新たに今年の2月、呉市行革大綱を作成し、不断の取り組みの決意をされているところですが、その後の取り組みについて若干質問させていただきたいと思います。 今年度は、特に「行革元年」と私は思っております。いろいろ盛りだくさんの指針も出ておりますが、呉市の将来を考えてみますと、背筋の寒くなるのを禁じ得ないのであります。前にも述べましたように、職員1人1人がいかに危機意識を持って職務に当たるかではないでしょうか。初めよければ終わりよし──で、今年の取り組みこそが職員の意識改革を行う意味で大変重要な年だと思っております。今年度も3カ月が経過いたしましたが、市長の示された平成8年度じゅうに実施される行革について、4項目ほどお聞きしたいと思います。 まず第1点目は、事務処理マニュアルの整備ですが、全体で結構でございます、もう既に完成している部署もあると思いますが、現在事務処理マニュアルは何件あり、改訂と新規作成は今年度どういう計画になっているのかお尋ねいたします。 第2点目は、情報化推進体制の整備ですが、庁内外の情報化はもちろんのこと、地域情報化の推進を含め、何をどのように進めていくおつもりなのか、その実施計画の内容についてお聞かせ願いたいと思います。 第3点目は、時間外勤務の縮減でございますが、もちろん職員の健康管理上の問題点もあり、難しい問題で御苦労なさっていることも十分承知いたしております。役所内での、無駄・むら・無理をさらになくしていく上においても、この問題を避けて通ることはできません。市民サービスの低下にならないよう、現状での取り組み方やまた目標値等がありましたらお聞かせください。 4点目に、他の組織での研修の実施という項目があります。今までに実施していることと、今後どのように取り組まれて職員の意識改革をされていくのかお伺いいたします。 以上、今年度実施されます4点について御質問いたしましたが、行革元年、絵にかいたもちでなく、決意新たに一歩一歩進んでいかれる様子など、不退転の決意で御所見をお聞かせ願いたいと思います。 最後になりましたが、現在市民と最も密接な関係にあります救急体制医療体制について、数点お尋ねいたします。 ある学者は、「20世紀から21世紀への歴史的転換とは、物質文明から精神文明への切りかえ、もしくはその両者の共存ということでなければならない」と言っておられます。精神的に安定した文明社会の条件の1つに、市民が毎日安心して過ごせることが挙げられるのではないでしょうか。特に市民感情からすると、いつ、いかなるときでも、どんな状態にあろうとも、即座に救急サービス医療サービスを受けることができるとの安心感が、「安全で美しいまちづくり」を目指す呉市にとりまして最大のポイントではないでしょうか。 そこで、現在の呉市を見詰め直してみますと、随分と地域格差のあることに気づかせていただきます。地理的な面、歴史的な面等考えてみますと、小さな市でありながら、軍港の街として発展を遂げた中で、国立病院を初めとして7つの救急指定病院があり、その他多くの診療所のあることが、今では恵まれた点でもあり、また、問題点の一つでもあります。しかし、呉市及び周辺の市町村の中で、地理的条件経済的条件において交通事故も年々悪化の一途をたどり、最近では死亡事故ゼロの日も長続きしない状況が現実であります。救急車で搬送されます患者の状態も、車の高速化や成人病の増加に伴って重症者が多く、1分1秒を争う状態も上昇の一途をたどっております。受け入れ側の病院も毎日病床はいっぱい、特に市の東部は救急指定病院が1つだけ、さらに隣接する市町村からの搬送も受けているのが実情です。時には、東西消防署において救急車の出動が重なり、予備車も出動して、空のときもたびたびあることを知り、体制の強化が急務であると思うのであります。 これら関連する質問は過去何度となくされ、行政側の体制の強化も図られてはまいりましたが、常に遅れ遅れの対応となっているのであります。市民が安心して生活できる、安全で美しいまちづくりを目指して、救急体制医療体制について数点お伺いいたします。 初めに、消防法施行令第44条第3項において、「救急隊員には救急I課程以上の課程を修了したものを充てる」とされています。また、「高度な応急処置体制を常時確保するために、救急II課程等の修了者を1隊当たり4人以上配置する必要がある」とされていますが、現在呉市の救急II課程等の隊員の現有資格の状況と、隊員の配置並びに今後の取り組みについてお尋ねいたします。 次に、東西消防署におきまして救急車の出動が重なり、お互いに予備車両を出し合って応援しているのが現状の中で、市全体の面積は小さくても、地形的条件地理的条件により平地と異なって随分不利な状況下にあります。既に宮原地区には配備の準備がなされていますが、特に郷原地区は、これから配備の計画があるやに聞いておりますが、配備に先立ってあらかじめ東消防署に1台増車をしていくことを含め、呉消防として救急車両の配備と今後の対策についてお伺いいたします。 第3点目といたしまして、年々増加の一途をたどる救急出動件数、これからますます救急体制が重要視されてくる中にありまして、職員等も徐々に増やしていかなければなりません。職員の補充も含め、定数の見直し等についてお伺いいたします。 最後になりましたが、現在の医療機関についてのお尋ねですが、現行の医療法第30条の3に基づき、各県単位で医療計画が策定され病床数が決まっておりますけれども、平成8年3月31日現在、呉サブ医療圏におきましても、既に…… ○議長(増本勝己君) あと3分でございます。 ◆9番(橋本良久君) (続)44床オーバーしているのが現状で、増床が認められません。救急医療体制がスムースに進展し、安心して生活できる呉市を目指し、医療計画の見直しや呉サブ医療圏見直し等を含め、当局の御所見をお伺いいたします。 御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(増本勝己君) 当局の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(小笠原臣也君) 橋本議員長期基本構想の策定についての御質問にお答えいたしたいと思います。 本年度新しく長期基本構想を策定するに当たりまして、橋本議員が御指摘になりましたように、原点に返って考えることが必要であるということで、昨年、現基本構想の点検、見直し調査を実施したところでございますが、その中で呉市の抱えている課題をどうとらえているかということでございます。 昨日、山上議員にお答えいたしましたように、呉市の現状を端的に申し上げますと、現基本構想にも挙げております呉市を取り巻く4つの制約条件というものが、いまだ克服されておらないわけでございまして、基幹産業の低迷や新規の住宅取得難を背景といたしまして人口減少が進む中で、購買力の広島市への流出が続くなど、都市的なにぎわいが薄れ、拠点性の低下が危惧をされているところでございます。 現基本構想に掲げるテクノポリス、マリノポリスの推進を図るために、関連する基盤の整備を進めてきたわけでございますが、現時点では、その効果が十分に発揮されていないということも、その一因になっているのではないかと思うわけでございます。 こうした呉市の現況や大きな社会潮流、さらには市民意識調査等を踏まえまして、呉市活性化につなげていく課題として考えておりますのは、まず、将来のまちづくりの基礎といいますか、前提条件としての交通基盤の整備が急務であるということは言うまでもございません。それとともに呉市が、働き、住み、学び、憩い、安らぐ場所として十分な魅力を持つことが大切であるというふうに思っておるわけでございまして、具体的に申し上げますと、地域の高度な技術集積を生かした新産業の創出等による雇用の場の創出。あるいは人口定着を実現するための魅力ある定住の場の確保。また3番目には、こうした産業活動、居住基盤を支える都市機能充実強化──都市機能充実強化と申しますのは、教育とか文化とかにぎわいといったような面でございますが、こういったことが重要な課題ではなかろうかと認識をしておるところでございます。また防災、環境、高齢化等に対応しました生活者にやさしいまちづくりを実現し、だれもが、いつまでも、安らぎ安心して暮らせる街をつくっていくということも重要な課題であると認識しておりますので、御理解をいただくようにお願いを申し上げます。 ◎消防長(畝一公君) それでは私の方からは、3番目の救急体制医療体制についてのうちの1番から3番についてお答えをいたします。 まず1番目の、現有資格の状況と隊員の配置並びに今後の取り組みについてでございますが、救急資格者は、救急隊員の行う応急処置等の基準の一部改正に伴いまして、現在血圧計、聴診器等を使用できる救急II課程修了者が22名、医師の指示を受けて救命処置が行える救急救命士が6名となっております。救急資格者につきましては、救急車の配置署所に適正に配置をしているところでございます。また、今年度中には救急II課程修了者は9名、救急救命士は3名が資格を取得する予定でございます。 これからも高規格救急自動車の導入に伴う救急II課程者救急救命士を継続して養成し、救命率の向上と今後の救急需要等にこたえられるよう鋭意努力していきたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いをいたします。 次に、2番目の車両の配備と今後の対策についてでございますが、呉市の救急体制につきましては、現在川尻町、安浦町を含めまして5隊配置をいたしておりますが、年々増加する救急件数に対応するため、現在の宮原、警固屋出張所を統合いたしまして新しい出張所に、来年度1隊を増強する作業を進めているところでございます。その他の出張所につきましても、諸条件が整い次第、救急車を導入していく計画でございます。また、郷原地区出張所開設につきましても具体的な検討に入っておりますが、開設の時点で救急車を導入してまいります。 郷原出張所開設までに東消防署に救急車を増車をしてはどうかということでございますが、議員さん御指摘のように、現在予備車を既に稼働させているところでございますので、御理解のほどよろしくお願いをいたします。 3番目の職員定数の見直しについてでございますが、現在の職員定数は、昭和60年に安浦町の消防業務を18名の職員で受託し273名となって以来、定数の改正は行っておりません。当時の救急件数は5,083件でございましたが、10年後の平成7年では6,136件と、1,000件余り増加をいたしております。しかし救急隊は、昭和60年と同じ5隊で対応しているところでございます。これからも高齢化社会交通事故の多発により、救急件数は年々増加することが予想されますので、救急体制の整備と職員の処遇改善とあわせ、現在職員定数について具体的な検討をいたしているところでございますので、よろしくお願いをいたします。 ◎企画管理部長(前田明則君) 私の方からは、2番目の行革に伴います(2)の情報化推進体制の整備について御答弁申し上げます。 御案内のように、著しい進歩を続けております高度情報機器を活用する地域情報化の推進は、行政事務の効率化、市民サービスの向上、さらには地域産業の振興など、行政の推進や地域の発展を図る上で重要な課題であると、このように考えております。 したがいまして、現在進めております新長期基本構想の作成との連携を図りつつ、本市の総合的、かつ体系的な地域情報化推進方策を明らかにするため、今年度呉市の情報化基本計画を策定することといたしております。この基本計画の中には、当然といたしまして、情報化推進体制等も含めた基本計画になるものと考えております。 この基本計画策定に向けまして、現在、庁内研究会を設置いたしまして検討を始めているところでございます。また、近々学識経験者等によります懇話会も設置し、御意見などをお聞きしながら情報化計画を策定してまいりたい、このように考えておりますのでよろしく御理解のほどお願い申し上げます。 ◎総務部長(久保嘉廣君) 私の方からは、呉市行政改革大綱で短期、平成8年度じゅうに実施するものに区分しております実施項目につきましてのお尋ねでございます。 まず1点目の、事務処理マニュアルの整備についてでございますが、各課が所管しております事務につきまして、処理の手順等を記載したマニュアルと申しますか手引書を作成し、各課に備えつけ、それぞれの担当者が不在の場合でも処理でき、また、市民とも応対できるようにしようとするものでございまして、事務の標準化の推進によりまして、効率性や市民サービスの向上を図ろうとするものでございます。 現在の取り組みについてでございますが、事務処理の手引きにつきましては、これまでにも庁内全部署に共通するもの等で、庶務のしおり、文書事務の手引き、公有財産管理事務の手引き、工事契約の手引き等既に作成したものもございますが、こうしたものの中には、年数の経過で現状にそぐわなくなっている部分等も含んでいるものもございますので、これの再整理を行いますとともに、近く一定の様式を定めまして、各課で固有の事務、1件1件につきましても手引書を作成するよう準備を進めております。今年度じゅうには庁内全体に係る手引書、各課で固有の事務に係る手引書をそれぞれ整備いたしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、お尋ねの時間外勤務の縮減につきましては、昨年度に振替勤務制度の導入実施を初め、一斉退庁日の励行等についての啓発を進めた結果、年度後半から、わずかながら時間外勤務の縮減傾向がうかがえるようになってきております。しかしながら、今後一層の時間外勤務の適正化を進めるためには、事務事業の見直しを行うとともに、事務の無駄やむらを除くことによって能率向上を図ることが肝要でございます。加えて、職員1人1人の原価意識の高揚と、それにも増して所属長による時間外勤務の適正な管理が必要であろうと存じております。 そこで、本年度4月からは各部長あてにそれぞれの部についての時間外勤務実績データを提供することといたしました。また5月末には、具体的な目標及び縮減策について部内協議した結果の報告を求めたところでございます。現在、その集計を行っているところでございますが、今後平常業務における縮減目標値について検討してまいりたいと存じております。 次に、呉市行政改革大綱にあります職員の意識改革と能力開発に伴う研修の取り組みについてでございます。 まず、本市においての研修体系は、職責や年齢層をとらえた階層別の課程研修と、専門的な知識の習得を目指す実務教養研修、及び他の組織で実施する研修に参加する派遣研修の3つに大別しております。他の組織での研修は、全国の市町村職員を対象とした自治大学校、建設大学校、市町村アカデミー等がありまして、また県内の職員を対象とした広島県地方公務員研修所の行う研修がございます。これらに呉市からも職員を派遣し、職員の能力向上を図っているところでございます。こうした他の公務組織での研修のほか、本年度は呉ポートピアランドと市内の百貨店に1週間程度職員を派遣する民間派遣研修も計画しておるところでございます。心のこもった市民にやさしい応対を目指し、今後とも職員の意識改革と能力開発を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎福祉保健部長(堀久真君) 私からは3番目の救急体制医療体制についての中で、救急指定病院を含めたサブ医療圏の見直しと、こういった御質問でございました。 議員既に御案内のとおり、広島県保健医療計画に基づき定めております呉サブ医療圏の必要病床数、現在3,609床でございまして、確かに既に44床オーバーしておるのが実情でございます。 この保健医療計画につきましては、昭和62年に策定されて以来、約10年を経過しようとしております。今後、安芸灘架橋の完成であるとか内陸部の開発の進捗状況、また、医療ニーズの高度化と多様化、人口の高齢化に伴う疾病構造の変化などを考えますと、呉サブ保健医療圏を取り巻く環境はまさに大きく変動していくことが予想されております。 現在広島県は、平成9年7月をめどに、新保健医療計画を策定するために保健医療計画検討委員会を設置しまして、その中で医療圏域及び必要病床数の見直しについては、圏域検討部会というものを設置しまして、その中で検討されております。我々も県を通じまして、呉サブ保健医療圏における実情に即した意見を述べてまいりたいと考えております。 なお、救急病院につきましては、救急病院等を定める省令の規定するところに基づきまして、現在呉市内には、議員仰せのように7病院、これが確保されております。しかしながら、呉市の地域性によりまして偏在が生じておりますので、救急病院になっていただくようこれまで何度も鋭意働きかけてきたところでございますけれども、病院側の受け入れ体制の整備が困難なことを理由としまして辞退されているため苦慮しているのが現状でございます。よろしくお願いします。 以上でございます。 ○議長(増本勝己君) 再質問があればお願いいたします。 ◆9番(橋本良久君) 各部署におきまして御丁寧なる御回答をいただきましたけれども、まず長期基本構想の素案の策定に当たって、昨年1年間点検してこられてその課題をどのようにとらえているかという質問に対しての御答弁をいただきましたけれども、すべてこれからであるように感じました。ただ、先日新聞紙上で広く市民の意見を募集し、基本構想に生かしていこうとされる市長の前向きな意欲を感じ取らせていただきまして、また、すばらしいことであると賛同するところでございます。 しかし、テクノ、マリノと、2本の柱となるべき基本構想の推進に当たって、例えば阿賀マリノですけれども、1期、2期工事を含め、そこに来てもらえそうな企業に、PR活動や、またコンテナ基地としての利用先等誘致に向けた行動を早くから起こさなければ、でき上がる前では遅過ぎるんではなかろうかという感もいたします。特に呉市という土地柄を考えますと、ますます難しいのではないかと思います。現在、広島空港周辺には工業団地が数多く造成されつつある中で、山陽自動車道も近く、地価も安く、人件費も安いという、そういった条件がそろったところと比較いたしますと大変難しく思います。21世紀にかける夢は、これら2本の基本戦略にかかっているわけでして、これから伸びていくには、前に述べましたように、本当に原点に返ることが最も大切であると思わせていただきます。 呉市の原点、それは軍港都市として発展してきたことでもございますし、以前、我が会派の先輩も、虹村へ海上自衛隊の教育施設の誘致を──と発言されておられますけれども、現在、さきの阪神大震災を教訓に、防災の見直しが全国で行われております。このとき活躍した海上自衛隊が呉市にはございます。そして大型船の出入りも見やすくできる、瀬戸内海のほぼ中心に位置する呉市の広湾において、瀬戸内の防災の拠点として位置づけをするならば、この平和産業たる海上自衛隊の防災基地として最適であるのではなかろうかと思わせていただきます。関連企業の誘致はまた言うに及ばず、26万の人口の目標も夢ではなく実現する目標値となるように思うのですが、今後これらの誘致を図っていただくよう市長に強く要望する次第でございます。 次に行政改革ですけれども、今年度の行革の取り組みについてお聞かせいただきました。「行革元年」として今年度の取り組みが非常に大切であり、やっと重い腰を上げていただいたなあと実感しております。個々の項目について、要望を含めて、若干、また質問をさせていただきます。 まず先に、2点目の情報化の推進体制の整備については、呉市長期基本構想との絡みで、総合的、かつ体系的地域情報化基本計画を今年度策定するとお聞きいたしました。取りまとめは企画部だと思いますけれども、今から現状把握と目標設定というのはちょっと情けないなと思っております。来年の3月議会では再度お尋ねをいたしますので、そのときには現状と取り組みが我々に見えるようお答え願いたいと要望いたしておきます。 第3点目の時間外勤務時間の縮減についてですけれども、総務部で各部の現状、今後の進め方の取り組み、取りまとめを前向きに努力されていることを、我々も十分に承知しております。この問題、痛みを伴うことも出てくるでしょう。しかしながら、意識改革、管理のあり方という点を進める上において避けて通れないものでございます。さらに御努力をいただき、目標値についても総合的に判断されまして、みんなが一体となって推進されますよう要望いたします。 第4点目の職員の意識改革と能力開発についてですけれども、自治大学校、建設大学校、市町村アカデミー、また県の地方公務員研修所の研修に派遣している。なお、今後は呉ポートピアランドと市内の百貨店に1週間程度派遣するとの計画をお聞きいたしました。1週間程度民間に派遣したいとのことですけれども、何の目的を持たせて派遣するのでしょうか。たった1週間程度では難しいなあと思いますけれども。現在公務員と民間との比較で、意識とか管理の問題では、一部では20年から30年遅れていると言われています。役所には生産性が乏しいため、物の考え方が違うのは理解できますけれども、今、役所も原価意識が必要になってまいっております。民間ではグループ発表会、また、専門分野での研究会等を多くやっています。その中で管理能力、意識改革を皆と同じ立場で研修することも重要だと思っております。研修メンバーについては、今からの管理者、課長、係長クラスが最適ではないかと思います。部長、次長については常に自分で課題を持って勉強をしてほしいこと、また若い人の伸びる芽を摘まないよう、若い人の意見をお聞きいただき、常に新しい考え方、情報をキャッチしておいて対処していただきたいと熱望する次第でございます。 後になりましたけれども、第1点目の事務処理マニュアルの作成ですが、今年度中には庁内全体に係る手引書、各課で固有の事務に係る手引書を、それぞれ整備したいとの決意をお聞きいたしました。 ○議長(増本勝己君) あと3分でございます。 ◆9番(橋本良久君) (続)今までなかなか進んでいなかった分野でございます。各課の推進担当者、推進項目、推進スケジュールを明確に責任を持って進めなければなかなか中身が見えてこないし、実績も上がらないと思います。この点についてどのように進められるのかお考えをお聞かせ願いたいと思います。 もう1点は、現在ではどの部署におかれてもパソコンやワープロが導入されております。そして、ほとんど事務処理はパソコンやワープロでこなしているのが現状です。事務処理マニュアルも実際にはワープロ等で作成しています。しかし、それらを記憶させているフロッピーディスクの管理状態は、各部署で様々に異なっています。一元管理をしているところや個人が管理しているところ、それらをきちっと管理してこそ行革と言えるのではないかと思います。そのフロッピーの管理はどのようにしているのか、また、今後どのように取り組んでいくのかお聞かせください。あとはまた再々質問でさせていただきます。 ○議長(増本勝己君) 総務部長。 ◎総務部長(久保嘉廣君) 事務処理マニュアルの作成について再度のお尋ねでございます。 議員さん仰せのように、各課の事務処理マニュアルの作成につきましては、明確な目標のもとに進めていく必要があると考えておりまして、今後期限を定め、作成作業を進めてまいりたいと存じております。 次に、フロッピーディスクの管理についてでございますが、現在フロッピーディスクの管理については、集中管理している部署や、個人がそれぞれ管理している部署があります。個人管理では事務処理上不便でもあり、データ保護の面からも望ましくないと考えておりますので、全庁的にフロッピーディスクの取扱いについては、各課にファイル責任者を置くとか、登録文書のリストを作成するとか、集中管理をする方向で検討を進めてまいりたいと存じております。よろしくお願いいたします。 ○議長(増本勝己君) 再質問があればお願いします。 橋本君。
    ◆9番(橋本良久君) それでは、先ほどのフロッピーディスクも集中管理をしていただけるということで、今後の期待を強くするものでございます。 残りになりましたけれども、救急体制医療体制についての質問に関して、特に職員定数の見直しですけれども、現在では新しく職員を採用いたしましても、半年間は消防学校へ行かなければ現場で使い物になりません。救急救命士等になれば半年間の学校、また、卒業してから3カ月の病院での実習等、これらを考えてみますと、余剰人員も必要になってまいります。郷原の出張所も開設し、蒲刈とも橋でつながりますと、ますます広域消防としての役割を果たしていかなければなりません。それらを考慮して、この際、定数を350人ぐらいに設定し、その中で年次計画等により運用していければ大変いいのではないかと提案させていただきます。今後、当局の取り組みに期待をするところですけれども、またもう1点、救急体制が充実いたしましても、患者を引き受けてくださる医療の体制が全くと言っていいほど充実していないことも事実であります。 また、ここで提案なんですけれども、救急医療に関してだけ期間を決めた病床を新たに増やすことができないものでしょうか。また、熊野や黒瀬を含めた医療圏の見直し等も検討していただきまして、これからどんどんと増えていくこの救急医療体制、また、消防職員の増員を併せて強く要望して終わります。 ○議長(増本勝己君) 以上で橋本君の一般質問を終わります。     ────────────────────────────── △日程第2 石崎元成君の一般質問 ○議長(増本勝己君) 日程第2、石崎君の一般質問を議題といたします。 11番石崎君。     〔11番石崎元成君登壇、拍手〕 ◆11番(石崎元成君) それでは私は、市民クラブを代表して質問させていただきます。 我が会派は、政策集団「市民クラブ」として、「人づくり・物づくり・まちづくり」と題して、結成以来代表質問において、21世紀の呉市への提言を行ってまいりました。数々の提言の中で、市当局の御努力により実現いたしたものも幾つかはありますが、政治力学の論理である数だけが少ないためか、はたまた我々の提言がユニーク過ぎるのか、理事者側への知恵が及ばないのか、我々の提言に対して十二分の成果が得られたという結論には達しておりません。これは決して理事者の皆様がどうこうということではありませんので、無用の心配はなさらないでください。ただ、我が市民クラブがこれまで政治行動を謙虚に反省し、前向きに21世紀の呉市のあるべき姿を考えて行動を起こしつつあることを御認識いただき、今後のお付き合いを考えていただければ幸いであります。 そういうことで、今回の6月定例会においては、我が市民クラブの新機軸の全体を皆様に御披露することができませんが、礎となります長期基本構想策定についての質問や、市民クラブの政策の基本となります問題について質問をさせていただきます。若干総花的になるかとも思いますが、関係当局の御理解のよろしきを得て進めてまいりたいと思いますので、誠意ある御答弁をお願いいたします。 まず初めに、長期基本構想策定についてお尋ねいたしたいと思います。 時の流れとともに、人の心も環境も著しく変化を遂げる現在、昭和60年に策定された長期基本構想も見直しのときが来ており、当局におかれましてもその手順が示されたわけでありますが、その中で最も重要と思われる基本理念についてお尋ねいたします。 まず、21世紀の呉が目指すものは何でしょう。我が国の経済が右肩上がりの状況であった、前回の長期基本構想の策定の頃とはやはり大きく違うと思うのであります。そういう社会状況において今回の長期基本構想は策定されるわけでありますが、先日配付された資料を見ますと、呉市総合計画審議会の委員さんが30名任命されております。学識経験者、行政担当者等云々されているわけでありますが、その選考基準についてお伺いいたしたいのです。 確かに、ラベル、レベルともに立派な委員さんばかりだろうと思うのですが、構成をよく見ますと、少しばかり気になることがあります。この委員さんの中の多くの方が各種団体のトップにおられる方であり、呉市における各審議会、委員会等で活躍しておられる方ばかりであります。言い換えれば、いつものメンバーで、いつものように進められていくだけの会議になる可能性があるのではないかと心配するのは私1人でありましょうか。 先般、NHKが東京都のごみ減量委員会といいますか環境問題の委員会が発足された模様を放映しておりましたが、委員の選任は一般市民の中から公募で行い、非常に大胆な意見を引き出し、ユニークな施策を打ち出しているそうです。やはり知恵というものは広く一般に人材を求めることが必要であり、それがまた市民ニーズの把握につながる結果を生むのではないでしょうか。現在の策定スケジュールにおいても市民参加をうたってありますが、この程度では十分と申すには余りにも安易な考えというのは言い過ぎでしょうか。私は、ぜひ市民ニーズ把握のための施策として、呉市民未来会議とでもいうような市民ニーズを吸収できる機関の設置を熱望いたしますが、当局のお考えはいかがでしょうか。 次に、生涯学習社会の実現に向けて生涯学習の現状認識と将来方策についてお尋ねいたします。 現在、社会教育事業については各公民館を中心に、それぞれの施設ごとに推進されているようですが、社会の成熟化に伴う高学歴化、長寿化、また、科学技術の目まぐるしい進展などを背景に、市民の学習ニーズは多様化しており、学習内容も高度で専門的なものに至るまで幅広くなってきております。国のこれらの施策も、生涯学習審議会の答申を受けて、生涯学習の推進に向けて動き出していると聞いております。以前、私も青年教育についてお尋ねいたしましたが、個々に施策を展開することも大いに必要ですが、今、もっとトータルな視点に立って、生涯学習の施策の整理、連携、統合を展開する必要があると思います。それは現在行われている個々の施策の整理ということも必要な時期に来ているのではないでしょうか。 例えばハード面では、グリーンヒル郷原は、農業研修施設として立派な教育施設でありますから、ソフト面を整理していき、また保健所が行っております機能回復訓練等は、ソフト面では公民館と福祉の連携の上にある立派な生涯学習の施策であります。ハード面をより充実させるといった具合に、どこが、どのように、トータルな視点で、また、ソフト・ハードの両面の次元で管理運営するのが一番よいと考えられておられるのか、当局のお考えをお伺いいたしたいと思います。 次に、真の差別撤廃に向けて同和対策事業につきましてお尋ねいたします。 このたび、以前よりの懸案でありました同和地区実態調査の報告書ができ上がったわけでありますが、これを踏まえまして、私どもは真の差別撤廃を実現するにはどうしたらよいか議論を重ねてまいりました。 そこで、まずお尋ねいたします。 呉市においては、同和対策事業の終結宣言をするおつもりがおありでしょうか。昨年度、県内でも数カ所の自治体がこの終結宣言を行っておりますが、我が呉市はどのようにお考えになっているのでしょうか。いつ、どのような状態になったときに終結宣言をされるのか。もし終結宣言ができないとするならば、なぜできないのか。また、終結宣言を行った自治体と呉市はどこがどう違うのか、お考えをお伺いしたいと思います。私どもは、決して無理やりに終結宣言をせよと申しているのではなく、何がどのようになれば終結宣言ができる街になるのかをお尋ねしているのですから、具体的に御答弁をいただきたいと思います。 次に、同和地区実態調査を踏まえて今後の施策についてお尋ねいたします。 先般の調査会での報告では、教育、啓発、就労については依然差別事象が見られると報告されましたが、それでは、これらの差別事象をどのように解決していこうとお考えになっているのでしょうか。特に、平成9年3月をもって期限が切れます地対財特法の以降のことはどのようにお考えでありましょうか、御所見を承りたく思います。 私ども市民クラブは、決して同和行政そのものを否定するものではありません。ただ、「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということわざがあるように、逆に自立を妨げる結果になってはならないことから警鐘を鳴らしているのであります。 先般、私は豊栄町における終結宣言のお話を聞かせていただきました。その中で「差別を行っている人が差別をすることができない環境をつくることが真の解決の道である」と町民1人1人が口にするのを聞き、町民一丸となって差別撤廃に向かう姿に私は非常に感銘を受けました。今後は同和対策事業という特別な扱いを見直し、正しい啓発を進め、主体性のある市民の納得のいく行政を推進すべきと思いますが、当局のお考えをお聞かせください。 次に、「大呉市」再生はなるかと題しまして、広域市町村圏への考え方、及びそれを支える上で何よりも大切な呉市職員の意識等について質問させていただきます。 私は、呉市歌に歌われる「呉市 呉市 大呉市」というフレーズが大好きであります。いつしか大呉市と言われる日が再び訪れると信じている者の1人であります。先ほど述べました長期基本構想の策定の時期でもありますので、私の願望とともに大呉市再生のために若干の提言をさせていただきたいと思います。 まず最初に、呉広域市町村圏であるとか、呉地方拠点都市の中核都市であるとか言われて久しいわけでありますが、周辺の町村にとって、呉市の動向によっては行政に多かれ少なかれの影響が出ることは明白であり、「呉市が風邪を引けば周辺町村は肺炎になる」とまで言われております。このような広域の中心にある呉市として、今後周辺町村とのかかわり方をどのように考えられているのか。具体的に申しますと、それぞれの周辺町村に呉市として何ができるのかをお尋ねいたしたいと思います。つまり、呉市がどれだけ周辺町村のためになってあげられるかということであり、周辺町村から望まれたものを検討する姿勢ではなく、能動的に実現可能なことを周辺町村に情報として提供していく姿勢こそが求められているのではないかということになります。具体的施策を考えられているのであればお示しいただきたいと思います。 次に、これらの呉市を支える職員の意識改革の問題でありますが、3月議会でも我が会派の木下議員から提言がありましたとおり、職員のやる気の醸成、コスト意識の定着、職員提案制度等、いろんな手法があると思いますが、私が今回ここで申し上げるのは、それらの問題以前の問題であります。 公務員意識のない職員、例えば服務規定の遵守ができてない職員とか、一般市民とのかかわり方を勘違いしている職員とか、公務員として、また一社会人として基本的考え方が欠落している職員が呉市にはいるということであり、私はあえて地方公務員法に抵触云々ということは申しませんが、こういう職員が他の職員に及ぼす悪影響を考えるとき、本当に呉市をよくしていくという自負を持ち得ているのか、いま一度関係当局のお考えを確認させていただきたいと思います。 最後に、「大呉市」のシンボルということでお尋ねいたします。 先ほど触れました呉市歌についてでありますが、私はシンボルという意味において、国に国歌、学校に校歌があるように、呉市には呉市歌があり、まさにぴったりだと思います。呉市歌の扱われ方については、昭和55年、私どもの先輩議員であります荒川英雄先生が詳細に御質問されており、当時の佐々木市長は「積極的に登用していきたい」との答弁をされております。その後、時代の流れと申しますか、最近では10月1日の市制記念日、1月4日の新年互礼会ぐらいにしか歌われておりません。私は呉市歌こそ、その由来からいって呉市のシンボルの一つであり、呉市の文化を語る面で忘れてはならないものだと思います。呉市歌の市民への啓蒙、啓発を行政事業としておやりになるつもりはありませんか。この機会ですので、市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。 もう1点、呉市のシンボルとして忘れてはならないものがあります。それは海上自衛隊と大日本帝国海軍の歴史だと私は思います。海上自衛隊については共存共栄が言われております。ギブ・アンド・テイクの精神で申せば、どうも呉市のギブばかりで、バランスから言いますといま一つ海上自衛隊の市民への踏み込みと申しますか、呉市へのギブが少ないような気がするのですがいかがでしょうか。その意味において、大日本帝国海軍の歴史を継承する海上自衛隊に、呉市と海軍の歴史を忠実に伝承していただく努力を申し入れ、海上自衛隊とともに呉市が海軍の歴史をシンボライズする必要があると思うのですが、いかがお考えでありましょうか。 したがって、将来できるであろう海事博物館は、その意味において、戦争を正しく理解するための海軍の歴史を大きく取り立てていただく必要があります。未来を見詰める目と歴史を正しく認識する目を養う海事博物館、我が呉市のシンボルとなることは、私たちの街「大呉市」は、古きをたずね新しきを知る、「温故知新」の精神に基づいた街になります。 私は、大呉市再生の提言を4つ申しました。 1つは、自衛隊と呉市の健全なギブ・アンド・テイクのバランスをとり、日本の歴史、世界の平和へのメモリアル記念館として海事博物館を位置づけること。 1つは、その海事博物館のある呉市には呉市歌があり、呉市民のだれもがその歌を知っており、訪れる人たちもその歌を知って帰るようになればよいこと。1つは、呉市を支える呉市職員は、公道の根本を知り、およそ私利私欲に縁の遠い職員ばかりがそろっていること。 いま1つは、その呉市は、呉市のみ、つまり我が身だけを考えることなく、近隣の町への配慮が行き届き、周辺の町は絶えず大いに呉市を兄貴分として信頼していることであります。いかがでしょうか。 ○議長(増本勝己君) あと3分でございます。 ◆11番(石崎元成君) (続)政治はまさに理想を現実に近づけるテクニックの世界であります。小笠原市長、大呉市は、大呉市の再生は、あなたの双肩にかかっております。大呉市のシンボルは小笠原市長、あなた自身でもあります。大呉市再生についてのあなたのお考えをお聞かせください。 以上をもちまして、私の代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(増本勝己君) 当局の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(小笠原臣也君) 石崎委員にお答えいたしたいと思います。 まず、長期基本構想の策定に関する御質問でございまして、呉市総合計画審議会のあり方、あるいは市民ニーズをどのように把握していくつもりかというお尋ねでございました。御案内のように、去る5月22日に第1回目の呉市総合計画審議会をスタートいたしまして、2010年を目標年次として呉市の新しい都市づくりの指針とするため、9月末をめどに基本構想の素案づくりの作業を開始したところでございます。 御案内のように、市の行政は非常に広い分野にまたがっておりますし、本審議会の委員はできるだけ幅広い分野からの意見をお聞きすることが適当であると思いまして、学識経験者の方、あるいは経済界、労働界、福祉・医療の関係、教育・文化・体育の関係、女性・青年・児童の関係者の方々、あるいは議会・行政関係の方々など、各界の代表者からなる30名で構成されているものでございますので、この点については御理解を賜りたいと思います。 議員御指摘のように、市民ニーズをより幅広く把握し長期基本構想に反映していくため、先般の審議会でも確認をいたしたわけでございますが、素案の作成に当たりましては、市議会での御意見はもとより、各種団体、機関からの提言や、市民意識調査の分析結果の活用、市政だよりを利用してのまちづくりへの提言募集などを行ってまいりたいと考えているところでございます。また、素案ができました段階におきましても、議員の皆様方を初め広く市民の御意見をお聞きするための場の設定など、できるだけ市民の方々に参加をしていただく形で基本構想づくりを進めていく必要があろうと考えておるところでございます。 石崎議員の方から、「呉市民未来会議」という具体的な御提案がありましたけれども、行政の方で人選をしたり設置をするといったような形よりも、むしろ市民サイドで自主的、自発的にそういったものを組織していただいて、呉市の未来についていろいろと御論議をいただき、そして御提言をいただくということは、私はすばらしいことではないかというふうに思っておりますので、どういう形にしろ、個人でも結構でございますし、今おっしゃったような組織を通じても結構でございますから、自分たちの住んでおるこの呉市の街を愛情と熱意を持って考えていただくことを私どもは心から歓迎もし、期待もしておるところでございますので、御理解をいただきたいと思います。 それから、大呉市の再生ということで数点お尋ねがございましたけれども、御提言も含めた御質問の中で、2点についてお答えをいたしたいと思います。 私は、とにかくいろいろ、今呉市が非常に厳しい状況の中で、多くの課題を抱えて、いろいろともっと元気を出さなきゃいけないということが言われておりますけれども、基本的にもっと呉市の発展可能性を引き出して、元気のある、活力のある呉市をつくっていかなきゃいけないということは、議員と全く同じ立場にあるわけでございます。 それに関連して呉市歌についてお尋ねがございましたが、呉市歌につきましては、御承知のことと思いますけれど、昭和3年12月24日呉市議会において議決をいただいて、以来、呉市の歌として歌われてきているものでございます。呉市の山紫水明を歌い上げ、自治と郷土愛で結ばれた立派な歌詞であると同時に、呉市出身の作曲家藤井清水先生の作曲によるものでございまして、非常にすばらしい、誇りに思う市歌であるというふうに私も思っておるところでございます。 私もいろいろな行事に出ますけれども、市の行事で歌われているだけではなくて、自治連の会合でありますとか、婦人会、日赤奉仕団、あるいは福祉関係の総会等でもよく歌われております。そういう場合には私も声を大きくして一緒に歌っておるところでございます。この呉市歌が御指摘のように、より多くの人によって歌われるようになってほしいと私も思うわけでございまして、市の主催の大きな行事などで歌うように努めてまいりたいと思いますけれども、それ以外のいろんな機会、会合がございますので、それらにつきましては、議員の皆様方の御協力をお願いをしたいと。議員の皆様方が御提案をいただいて、そういった会合等で歌われるように御勧奨をいただきたいというふうに思っておるところでございます。 それからもう1点の、呉市の特色ある、あるいは呉らしさをどういうふうに生かしていくか、呉市のシンボルというようなものについてのお尋ねがございました。 呉らしさを発揮するための資源といたしましては、議員が御指摘になりました海上自衛隊、並びに旧海軍の街としての歴史が挙げられると思います。以前にも私は申し上げたことがあると思いますけれども、堺屋太一氏が指摘しておりますように、地域の個性、地域のアイデンティティーといいますか、そういったものを非常に際立たせるものはその地域の歴史である──というように私は思っておるわけでございまして、そういう意味で今申し上げた点も考えていかなければいけないと思っております。さらには海上保安大学校、中国工業技術研究所などの海に関するすばらしい機能集積がございますし、あるいは海や港町に関連したものがそのほか数多くあるわけでございます。また、そういった海を見下ろす灰ヶ峰とか休山などの活用も大きな1つのポイントになるのではないかというふうに思っておるところでございまして、そういったことにつきまして、関係の機関などと話を進めていきたいというふうに思っておるところでございます。 もう1点の海事博物館につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、呉らしさを出していくための資源を十分に活用いたしまして、歴史を正しく理解し、未来を見詰めることができるものを目指してまいりたいというふうに考えております。具体的な内容についてはこれからでございますので、また、いろいろと御提言を賜りたいと思う次第でございます。 ◎助役(川崎初太郎君) それでは4番目の1でございますが、呉市は広域の中心都市として具体的に何を果たしていくのかという御質問でございます。 都市化の進展や交通網の整備によりまして、住民の方々の日常生活圏は今後ますます広がっていくものと思っております。こうした中で、広域の中心都市として呉市の果たす役割は、大きく分けまして、1つには呉市が呉市の特性である産業、教育、文化、医療などの高次な機能を一層集積をさせ、また充実をさせまして、中心都市として魅力のある、頼りがいのあるものとして広く地域の方々に活用していただくことであります。またもう1つには、周辺町の方々と連携をしまして、地域の課題解決や地域の資源を生かした広域的なまちづくりで、これも中心的な役割を担っていくことであろうかと思います。 こうしたことから、1市12町で構成をしております呉地方拠点都市地域では、拠点地区事業、地域間交通網の整備、そのほか広域的な事業の展開を図るほか、基金を設置しまして、その果実でもってソフト事業についても周辺町と協議することは当然でございますが、呉市としても積極的にそういった中心的な役割を果たしていくこととしておるところでございます。 それ以前に、既に今年度から呉市のテレビ広報、これは「ズームアップくれ」でございますが、そういうテレビ広報を使った各町の紹介、これは既に2町、倉橋町と音戸町を既に行っておりますが、今年中に残りの町も行うようにしているところでございます。また、各町の紹介として、広報紙、これは市政だよりでございますが、「あのまちこのまちホット情報」ということで、これも平成8年、今年の4月からそれぞれ実施をしているところでございます。 そういったことでございますが、さらにインターネットを利用したホームページの作成も予定しているところでございます。これも秋ごろまでには作成をしたいというふうに考えております。 また、1市12町で構成する呉地方行政懇話会では、他町職員の呉市職員研修への受け入れを既に行っております。また、呉地域観光連絡協議会の設立も行っております。各市町の職員の資質向上や広域的な観光行政等にもそういった大きな役割を果たしておりますが、今後ともそうしてまいりたいというふうに考えております。 また、地域の行政課題を共同で取り組めるものはないかということで、それぞれピックアップをしていただきまして、例えば施設の相互利用などにつきましても現在検討中でございます。今後とも中心都市としての役割であります呉市の魅力ある都市機能の充実を図るとともに、圏域での連携をさらに密にし、パートナーシップを大切にしながら、これまでどおりリーダーシップを発揮してまいりたいと、このように考えているところでございます。 次に、2番目の職員の意識改革ということでございますが、本当に呉市をよくしていくという自負を持ち得ているのかというお尋ねでございます。 申すまでもございませんが、我々公務員は市民全体の奉仕者として勤務をしております。いかなる場合も節度と良識ある行動を求められているところでございます。こうしたことから、課程研修の中で公務員倫理という課題で、職員1人1人にモラルの向上とモラールの高揚を図るべく研修を行っているところでございます。また、機会あるごとに服務規律の厳守に関しての通知を全職員に配付しまして、公務員としての姿勢の周知徹底を図り、また公務員としての行動が疑念を抱かれることのないよう、各所属長からも指導を行っているところでございます。 服務規律の厳守につきましては、これは公務員として当然のことではございますが、今後とも指導、研修を行ってまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(森功君) 石崎議員さんの生涯学習社会の実現に向けて、現状認識と将来方策についてお答えいたします。 御案内のように、人々が生涯のいつでも、どこでも、自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が適切に評価されるような生涯学習社会を構築することは極めて重要な課題であると考えております。 まず、生涯学習の現状についてでございますが、従来、市民の各ライフステージに対応して各部局で進めている諸施策を生涯学習の推進を図るという視点で再構築するとともに、全庁的な推進体制づくりや、市民の学習機会の拡充、学習情報提供のあり方など、具体的な検討を進めているところでございます。 これからの方策といたしましては、市民1人1人の学習ニーズや社会的な背景等を的確に把握しながら、各部局が連携し、全庁的な視点に立った体系的な事業の推進を図ってまいる所存でございます。 いずれにいたしましても、生涯学習の根幹となる社会教育の充実、生涯学習の基礎となる学校教育の充実を柱にして頑張ることが生涯学習社会の実現への近道と思っておりますので、御理解と御支援をいただきたいと思います。 ◎市民部長(池浦修三君) それでは私の方から、真の差別撤廃に向けての同和対策事業についてお答えをいたします。 初めの同和対策事業の終結宣言についてでございますが、県内においても2町村で宣言が出されておりますが、いずれも過疎化、高齢化が著しい町や村でございまして、同和地区も呉市と異なりまして少数点在で、隣保館や同和地区向けの市営住宅もない地域でありまして、内容的にはハード面に関するものであると認識をいたしております。 呉市におきましては、昭和40年の同和対策審議会答申を基底に、これまで同和行政を推進をしてまいりました。呉市の現状を分析してみますと、これまでもたびたび申し上げておりますとおり、ハード面においては一定の成果はあったものの、教育、就労、啓発等のソフト面においてなお課題があるものと認識をいたしております。 したがいまして、このハード、ソフト両面の課題の解決が必要であり、現時点におきましては宣言をする状況にはないと考えております。御理解のほどよろしくお願いいたします。 次に、実態調査を踏まえての今後の施策についてでございます。 一昨年、呉市におきましては同和地区実態調査を初めとする3つの調査を実施いたしました。この結果、概要につきましては、さきの調査会において報告をさせていただいたところでございます。調査の結果を見ますと、施策の推進により一定の成果を挙げておりますが、教育、就労、啓発等の面においては依然格差があるという結果も出ております。これまでも成果と課題を踏まえて見直しを行っておりますが、これからも見直すべきは見直し、一日も早い解決のために地対協の意見具申を受けての国の動向や、四囲の状況をしっかりと見極めながら、議員さん仰せの趣旨も踏まえながら、今後のあり方を確立していかなければならないというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(増本勝己君) 再質問があればお願いします。 石崎君。 ◆11番(石崎元成君) 昨日から長期基本構想についてもたくさん質問されておりますので、簡単に質問させてもらいますが、市長さんも昨日から市民参加が絶対必要要件であるというふうに言われております。それで、行政当局でそういう呉市民の未来会議というようなものをどういうふうに選択するかということ、で難しいということで、自発的に組織していただくことがすばらしいのではないかというふうなお話でありました。まさに私どももそういった観点において、市民運動といいますかそういうのを起こさなければいけないなというふうに思っております。これはまた、我々会派でよく検討をして、この件についてはまた後ほど御相談をさせていただきたいというふうに思います。 次に生涯学習でありますが、確かに生涯学習推進のため、いろいろ組織や情報提供は総合的に検討していただいておるということでよく理解をしておるんですが、国とか他の市町村に比べますと、流れの速度が遅いといいますか決して速くないような気がいたしますので、その辺を教育委員会としてはよくお考えをいただきたい。そしてまた、全庁的に取り組むことも検討しているということですが、これは企画の方になるかと思いますが、はっきり申しますと、教育委員会が担当するというのは、私は、この生涯学習は非常に分野が広過ぎて難しいのではないかというふうな気がいたしております。長期基本構想策定のときでもありますので、来年度の機構改革云々もあるというふうにお聞きしております。この辺、長期の展望に立った生涯学習の推進について少しお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。 次に同和問題ですが、市民部長、昨日から大変苦しい答弁をされておられると思います。終結宣言した町は過疎化で高齢化といいますが、言い方によっては呉市も過疎化で高齢化しております。あとは少数点在かどうかということでございますが、よその町では内容的にハード面で終結宣言をされたということでございますが、呉市もハード面で一定の成果は見たということでございますので、その辺でなぜ終結宣言ができないのだろうかなあというふうな気がいたしております。 もう1点、地対財特法にかわるものを今、昨日から出ておりますが政府与党プロジェクトがどうとか、新聞論調で述べておるというふうに言っているんですが、その動向を見守っているということでよろしいんでしょうか。その辺の理解をちょっと、理解ができないというかよくわからないところがありましたので、もう一度お尋ねをさせていただきたいと思います。 次に広域市町村圏の話ですが、さっき私が質問の中でも述べたように、広域の場合は周辺町村から望まれているものを検討する姿勢ではなく、能動的に実現可能なことを周辺町村に情報として提供していく姿勢だと。この辺の意味がよく御理解していただけていないのじゃないかと思うんですが、パートナーシップもありますが、やはりリーダーシップが、強烈なリーダーシップがないとこれは厳しいと思います。そしてそういうふうに、言い方が悪いかと思いますが、先ほども申したように呉市がやはり何らかの影響を与えておるわけですから、そういった立場においてもう少し前向きに何か施策を出せないんだろうかということが、ちょっとお尋ねしてみたいんですが、確かに今助役から答弁いただきましたように、いろいろ御努力はされていることはよくよく承知しますが、どうしてもこれが、言い方は悪いと思いますが、みんな仲間で、一緒に、仲良し集団でしか終わらないと。物事を進めるにおいては、強力なリーダーシップがなければ前へ進まないんじゃないかというふうな気がいたします。リーダーシップの発揮云々、そして前向きな、もう少し具体的施策があればというふうに思います。ちょっとお尋ねさせていただきます。 そして職員の資質の問題ですが、もうこれは多くを申すまでもないと思います。当然のことを当然のようにしていただければいいと思います。簡単に申して、総務部長、誠に申し訳ないんですが、私は総務部が職員になめられていると、こういう現実があるということじゃないかというふうに思います。信賞必罰、これは断固たる措置をするために、私は機構改革において人事部の構想を取り上げていただきたいとこのように思うんですが、これについてお考えをお聞かせください。 次に呉市歌ですが、呉市歌につきましては市長さんから御答弁いただきました。市の主催の行事では積極的に歌いたいということでありますが、昭和55年当時の佐々木市長は、森教育長、こう言われておるんですよ。「市主催の各種行事だとか、あるいは市立の小中学校の音楽教育等、あらゆる機会をとらえて推進に努めていく」というふうに。現在、小中学校で呉市歌についてどのように教育をされておるか、ちょっとお伺いをしてみたいと思います。 最後に、海軍の歴史と海事博物館でありますが、これは私が常々…… ○議長(増本勝己君) あと3分でございます。 ◆11番(石崎元成君) (続)オンリー・ワンのまちづくりを提言してまいりました。その意味において、海事博物館は先ほど申したとおり日本の歴史、世界平和へのメモリアル記念館として位置づけて、日本じゅうで呉にしかないもの、呉にだけある博物館であっていただきたい。したがって小笠原市長には、安易に妥協なさらないで、胸を張って堂々と進めていただきたいというふうに思います。私どもは全力でこの海事博物館に対しては応援をしてまいりたいと思います。ぜひ、オンリー・ワンの博物館を実現をしていただきたいと、強く熱望をいたします。 以上です。 ○議長(増本勝己君) 当局の答弁を求めます。 川崎助役。 ◎助役(川崎初太郎君) それでは広域の関係でございますが、もう少し能動的に、またはリーダーシップをさらに発揮すべきではないかということでございます。 1市12町、あるいは15町で形成しております、そういう広域の中において、地方自治のやはり主体性というものがございますので、その地区地区の地元の職員といいますか、住民の意見を尊重しながら、また、意見のそういう提言をいただきましたら、それを拡大しまして、なお発展する方向で取り組んでまいりたいと。また呉市の方からも、こうした方がいいとか、ああした方がいいとか、一緒にやろうとか、そういったことも今までも行っておるわけでございますけど、財政規模とか人口、かなり違いますので、積極的にそういう提言も行い、1つでも実現に向かって何かをやっていくということで、リーダーシップをさらに発揮していきたいと、このように考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(森功君) 正直申しまして、教育内容として音楽科の教材としては取り上げておりません。これから児童・生徒の発達段階等、学校や地域の実態をしっかり考えて検討してまいりたいと思います。 ◎総務部長(久保嘉廣君) 職員の服務規律の厳守についての再度の御質問でありますが、当然として、今後とも指導は十分やっていきたいと、このように考えております。 それから機構に関して人事部の設置ということの御提案があったわけですが、組織機構の見直しにつきましては、今年度、全体を見直していくということを考えておりますが、この人事部の構想がどうなっていくかいうことは、ちょっと今の時点では明言できませんので、御了承願いたいと思います。 ◎市民部長(池浦修三君) 宣言をしておる町村と呉市とも高齢化もしているじゃないかというようなことなんですが、お言葉を返すようでございますが、高齢化といいましても、例えば呉市では17%台、ある2つのところですが、1ヵ所には32%、1ヵ所は29%というような高齢化も進んでおります。それから対象世帯にいたしましても、8地区の42世帯とか、3地区の25世帯とかいうように非常に規模の小さい、そういうことで、先ほど申し上げましたように同和向けの市営住宅もございませんし、隣保館もないというような状況でございます。それとハードの面におきましても、そういった急傾斜等もなく、圃場の整備等が中心となっているようでございます。そういうことで、呉市とはちょっと状況が違うと思います。そういうことでひとつよろしくお願いいたします。 それからもう1点の、ただ国の動向を見守っておるのかというようなことでございますが、これも先ほど申し上げましたように、実態調査の結果、課題もあるわけでございます。そういう課題を解決していくためには、我々地方公共団体にとりましては、国のそういう法的措置が必要でございます。そういうことで、国の動向や四囲の状況を慎重に見守りながら、これからも見直すべきは見直す中で、一日も早い解決に取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(増本勝己君) 再質問があればお願いします。 石崎君。 ◆11番(石崎元成君) なかなか市民部長、苦しい答弁であれでございますが、規模の大小に関係なく差別はあると思いますので、その辺のことはよくよく御承知をいただいておると思います。そういうことではなかったんですが、また、これは今後、我が会派のテーマとして追いかけていかせていただきますのでよろしくお願いいたします。 そして広域の件でございますが、助役さんの方から御答弁をいただきました。これは、今後具体的なものに対しては、我々市民クラブは提言を持っております。今日は今回、ここで御披露できなかったんですが、市民クラブはテーマを持っておりますので、これはまた今後改めて具体的なものを提言をさせていただきたいと思います。その節にはよろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、教育長さんから検討をするということでございました呉市歌でございますが、発達段階も結構でございます。いろいろ結構でございますが、教育長、地域の実情ということに関して逃げないでください。あなた方はよく、この「地域の実情を」と言ったときには、地域の実情があるからできないと、このようによく言われるんですが、これがいつもあなた方の逃げの最たるものでございます。地域の実情はよく調べて、よくよく調べて、どことどこでできて、どことどこでできないのか、こういうことをよくお考えの上、必ずやこの呉市歌の中学校、小学校における音楽教育実現をしていただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(増本勝己君) 以上で石崎君の一般質問を終わります。 しばらく休憩いたします。            午前11時43分     休   憩     ──────────────────────────────            午後1時03分     再   開 △日程第3 森岡淑子君の一般質問 ○議長(増本勝己君) 会議を再開いたします。 日程第3、森岡君の一般質問を議題といたします。 6番森岡君。     〔6番森岡淑子君登壇、拍手〕 ◆6番(森岡淑子君) 質問をさせていただく前に、昨日練習し過ぎましてのどを少し傷めておりますので、お聞き苦しい点があると思いますがよろしくお願いいたします。 広島国体の開催を控えて、広島呉道路も8月には開通、長期基本構想の中のテクノポリス、マリノポリス構想も着々と進んでおりますが、市民の夢を少しでも現実的なものにすべく、市民フォーラムを代表いたしまして、3点ほど質問させていただきます。 まず最初に、歴史の見える観光事業についてお伺いいたします。 今、全国の多くの自治体では、それぞれのまち独自の歴史と文化を観光事業の中に組み込んでいくことが進められております。私たちの子供たちは、この呉市に何の誇りを持っているのでしょうか。他市に見られない呉市独特の街を、歴史を、文化を、子供たちは見るすべもなく、また機会もないのではないでしょうか。呉の歴史をどのように伝えていこうとしているのかを考えたときに、呉市におきましても海事博物館建設事業が進められており、今年度は資料の保管庫、仮展示場の建設に向かって具体的な事業への展開が進んでおります。海事博物館建設事業の意義につきましては、呉市制が施行された明治35年以降、現在に至るまでの呉の歴史、文化、産業技術の蓄積などを知る上で、また子供たちの教育の場として活用も含め、大変有意義な事業だと考えております。 先般、横浜市の海事博物館に視察に行ってまいりました。そこでは、半農半漁の一寒村であった横浜が、ペリーの黒船来航に伴って港が開かれて以来、日本を代表する国際港湾都市として発展してきた歴史が、楽しく、わかりやすく、理解できる形で資料の展示と説明がなされてありました。この施設は、これまでの港の歴史を踏まえつつ、新しい時代に向けて、市民が港湾、海運、貿易などについて正しい知識や認識を共有するために建設されたと伺ってまいりました。 呉市には、かつての日本海軍が列強に対抗し得る勢力を持つ必要に迫られ、海軍工廠の設置がなされたと聞いております。ここで造られた軍艦は、常に一番船であったことからもうかがわれますように、戦艦「大和」の大砲は、現在に至るも世界最大、最強の船枠砲であり、当時の日本のあらゆる先進技術、また応用技術の開発がこの地で進められ、現在の日本の工業力を支える技術の基礎を築いてきたと言っても過言ではありません。 呉市におきましても、子供たちを含め、多くの皆さんに海事博物館を訪れていただくためには、ハード、ソフト両面で日本に誇れる内容にしたいとの思いを大変強く持っているわけでございます。ただ単に、呉市に縁のある歴史的な物件を陳列させているだけでは、従前のように固いイメージの博物館になり、集客力を含め、その教育効果にも限界が出てきます。コンピューターによる大がかりなシミュレーターなど、電子技術をフルに使った、大型で感動できる装置の設置も考えていくことが必要だと思っております。例えば呉港から宮島まで、実際の航路に沿っての旅客船を操縦し、航海が体験できるとか、潜水艦の操縦の体験ができるなど、操縦のシミュレーション技術を最大限に活用し、光、音、動き、振動を取り入れた機器の設置など、静と動とが調和した海事博物館にすることが必要だと考えております。 これに加えて、経済効果も上げるには、人の流れをどのように考えているのか教えてください。 現在のどのゾーンを見ても、不特定多数の人が常に出入りできる場所であるとは言いがたいのではないでしょうか。失敗に終わらないためにも、人の導入方法を真剣に考えねばならないと思います。せっかくの計画です、全国に類のないものにしていきたいと切望いたしております。今までの歴史と未来の夢を、子供たち、また多くの人たちに与えるような海事博物館の建設をしていただくよう切望し期待しておきたいと思いますので、昨日の答弁と重複するのではないかとも思いますが、これらの点についてのお考えと海事博物館建設事業の具体的な内容についてお伺いいたします。 また、呉の歴史ゾーンを生き返らせる、アレイからすこじま構想計画は、軍港の街であった呉市にとってすばらしい計画だと思っております。その中で、串山公園の整備も含め、呉の港が一望できる場所にれんがづくりのレストランなどできれば最高だと考えております。 また、これらの文化、歴史ゾーンに定期観光バスを走らせる夢は実現不可能なことでしょうか。交通局の事業との連帯をとりながら、市民、また、周辺の町の人たちにも改めて呉を見ていただくといった観点から、観光ルートの開発も必要ではないかと思っております。 例えば歴史的観光ルート、産業観光ルート、年齢別観光ルートといったような目的別に分類することも考えられます。呉という街を道路交通網の整備に併せ、周りの市に出ていくのではなく、周りの市や町からどうしても行ってみたいと思えるような夢のある企画を一歩一歩進めることを期待してやみません。 次に、海洋観光といった点で考えてみますと、呉市は瀬戸内海という静かな海に面しており、1市15町の広域観光といった面からも、海を中心とした遊覧船ルートの企画や、また、海に岩礁を入れて魚の宝庫をつくり、家族で釣りのできるブイを浮かべるといったことはいかがでしょうか。何かお考えがあればお聞かせください。 第2点目の質問として、学校と地域のあり方についてお伺いいたします。 今日、我が国の社会は、情報化、国際化、価値観の多様化、高齢化など、様々な面で大きく変貌を続けております。これからの時代を生きる子供たちは、このような社会の変化の中で、1人1人が自己の生き方を持ち、個性や創造性を発揮して生きていかなければなりません。 このような認識に立つとき、これからの学校においては、子供たちが自ら学ぶ意欲を持ち、社会の変化に主体的に対応し、自ら考え、判断し、行動するために必要な資質や能力の育成を重視する考え方に立って教育を行っていくことが大切です。しかし、このような子供たちが主体的に生きていくための資質や能力は、学校教育だけで育成されるものではなく、家庭、地域の連帯が必要と考えますが、教育委員会のお考えはどうでしょうか。 まず初めに、教員の意識改革の必要性についてどのように考えておられるのかお伺いいたします。 私は、行政改革が進められている現在、教育現場を預かる教員も従来の慣例、慣行にこだわらない、新しい感覚で教育に臨んでいただきたいとの思いを大変強く持っております。今、学校と家庭、地域との3者の連帯をもっと強めていくことが求められております。その主導権をぜひ教育委員会でとっていただきたいと考えております。まだまだ学校内の問題は、その学校だけで処理したいとの考えから、閉鎖的な行動がとられているように感じられます。自分の子供のことは全部わかっているつもりの父兄の方もたくさんおられるのではないでしょうか。学校と家庭とが密に情報交換することによって、お互いの信頼関係も自然に強くなってきます。それに地域の皆さんの協力をいただきながら、真の教育とは何かといったことを模索していくことが重要だと考えているところでございます。 先日、ある学校においてあってはならない暴行未遂事件が発生いたしました。このようなことを隠されては困るという親の考え方に対して、学校側もそれに応じ対処されました。また、地域の人たちも協力して、見通しのよい安全な地区にしようと草刈りをもして協力をしていただいたということです。これはまさに学校、家庭、地域の連携プレーによって子供たちを守ろうとしているいい例だと思いました。もちろん、市教委も十分なる適切な措置をしてくださったということです。このような指導を今後とも続けていってほしいと思っております。 地域の皆さんの協力を求めていくといった観点からは、学校開放といったことが重要になってまいります。地域と児童生徒が交流する場所の開放といった意味で、私は2つの提案をさせていただきたいと思います。 まず1つは、学校図書室の開放です。 地域の人からの要望としてよく耳にしております。現在、司書教諭を配置するための学校図書館法改正案が提案され、見通しが出てきているとのことから、司書教諭の配置ができれば地域の人たちへの図書室開放も夢ではないと思いますが、いかがでしょうか。 2つ目は、放課後の課外活動についてでございます。 地域の人の中には、自分の趣味として茶道、華道、パソコンなどを楽しみ、中には子供に教えてやりたい、また一緒に楽しみたいと考えておられる方もいらっしゃいます。こういった方々に協力をいただく中から、子供たちが1人でも多くの人たちとふれあい、子供たちの柔らかい頭の中にいろいろな考え方、物の見方が芽生えてくると思いますし、教師以外から学ぶことも大切なことではないでしょうか。文部省で打ち出されている、教職の免除の有無にかかわらず社会人が教壇に立つことを、いち早くモデル校を決めて取り入れてみるとのお考えはありませんでしょうか。 学校の施設を開放するということは、一口に言えば簡単なことですが、教育現場を預かっている立場から見れば多くの問題があり、難しいとは思います。しかし、マイナス面ばかり考えると何も進めません。最初に述べました教師の皆さんの意識改革がここで問われてくるわけです。ときには失敗を恐れず頑張っていただくことを強く要望しておきます。この点について、教育現場の指導を含め、教育委員会としてどのようなお考えかお伺いいたします。 最後に、高齢者福祉についてお伺いいたします。 いきいきライフを送る為の高齢者福祉を、今までとは視点を変えて考えてみたいと思います。 先日、あるお年寄りの皆さんとの会合の中で、我々年寄りも大好きな愛している呉市のためにまだまだ役に立ちたいと思っているんですが、行政が行っているいろいろな行事に協力したいのだが何かないだろうか。例えば「寝たきりのお年寄りのお世話は、若いボランティアの方も必要で大切ですが、我々同年配の者なら思い出話などできて気持ちが和らぐものですよ。自分たちが働ける間は、私たちも福祉活動に協力していきたい、このような意見を言われ、大変心強く感じました。現実、国体においても多くの地域の老人会の御協力もあると伺っております。高齢者の皆さんが、これまでの受け身の福祉から、積極的に福祉活動に参加することによって、地域にも貢献でき、また老後の生きがいを感じながら、健康的な生活を送るための施策が必要ではないでしょうか。広島県では働く女性の子育て支援を目的に、ファミリーサポートセンターを設立しようとしております。会員制ですが、その中でお年寄りの会員も募り、子育ての経験を生かして、一役買ってもらうことも考えていると伺っております。このように、お年寄りの皆さんが活動していく上で相談できる窓口を設けるといった構想もあってはよいのではないでしょうか。 次に、福祉会館の今後の利用計画についてお伺いいたします。 平成9年2月に総合保健福祉センター(仮称)が完成し、社会福祉の機能が一部そこに移ると聞いておりますが…… ○議長(増本勝己君) あと3分です。 ◆6番(森岡淑子君) (続)その後の福祉会館の利用計画についてはまだ議会に報告がなされておりません。こういった状況の中で、福祉会館の利用計画がいろいろなうわさ話として一人歩きをしているように感じております。この時期になっても、いまだに具体的な利用計画が示されていないことに問題があると思われます。福祉会館の新しい活用策については、保健所の改築事業と並行して進めていく必要があると思います。福祉会館は、老人福祉にかかわっておられる方々はもちろんのこと、障害者の方々にとってもいろいろな情報交換や支援の場所であり、生きがいを求めてサークル活動をされている大事な場所であることは改めて言うべきものでもございません。これを機に真の社会福祉センターとしての機能を充実させていくことが重要だと思いますが、いかがでしょうか。 一方、市民に改めて社会福祉ということを認識していただくために、明るく、夢のある名称を市民の皆さんから公募して考えてみることも考えてはいかがでしょうか。また、福祉会館の今後の利用計画の内容について、併せてお伺いいたします。 以上、3点について私の呉市発展への夢を含めての質問をさせていただきました。前向きな、誠意ある御答弁をいただきますようお願い申し上げ、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(増本勝己君) 当局の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(小笠原臣也君) 森岡議員にお答えいたします。 歴史の見える観光事業についてお尋ねがございましたので、この点について私の方からお答えをしたいと思うわけでございます。 観光といいますと、どうも伝統的には景色のいい名勝地を見に行ったり、神社仏閣を回ってきたりして、温泉に浸って帰るというようなのがイメージとして出てくるわけでございますけれども、観光というのはもっと幅広く、もっと意義のあるといいますか、そういうものでなければならないということがよく言われておりまして、「観光」という文字のとおり、その訪ねていったところの光を見ると。その光というのは風土の光もあるでしょうし、歴史の光もあるでしょうし、その地域の文化とか、生活とかすべて、その地域で光り輝いているものを見、そしてそれに触れ、そして感動を得て帰るというのが観光の本来のあり方であるということを言われておりまして、各地域における観光というのもそういう線に沿って進められなきゃいけないというふうに思うわけでございます。 したがいまして、呉地域における観光を考える場合も、歴史というのは呉市は非常にユニークな、独特のものを持っておりますし、あるいは呉市周辺地域を見ましても、万葉の時代から、中世から、江戸時代からいろいろな歴史があるわけでございますから、そういったものをすぐれた資源として活用するということは非常に大切なことだと。全く今、森岡議員が言われたことに同感をするわけでございます。 さらにこの際、付け加えて言わせていただきますならば、歴史だけでなくて、従来余り観光資源としては考えられなかった、例えば呉市に立地をしております造船であるとか、あるいは製鉄であるとか、それから施設としては、例えば中国工業技術研究所の水理模型とか、そういったようなものもほかにない施設であり、また産業であるわけでございますから、そういったものも触れて、見て、勉強して帰るというのも大きな観光資源になるのではないかと。そういう広い意味での観光行政というのをこれから考えていくべきだというふうに私も思っておるところでございますが、特に歴史の見える観光事業について、博物館の具体的なあり方と設置する場所等についてのお尋ねがございましたので、お答えをしたいと思います。 お断りをしておかなければいけないのでございますが、海事博物館について昨日来いろいろお話がございましたが、現段階においては、まだまだこれから詰めていく問題がたくさんございまして、あくまでも抽象的なお答えになることをお許しをいただきたいのでございます。 森岡議員が御指摘になりましたように、呉市は明治22年に呉鎮守府が開設をされ、また、海軍工廠が設置されて以来、短期間のうちに日本一の造船技術を有する都市となりまして、造船技術の情報発進基地として発展をしてきたという歴史的な背景があるわけでございます。 現在構想しております博物館は、このような貴重な独特の歴史とすぐれた技術に加えまして、この呉の技術が戦後各産業の分野に広がり、海底探査とか、あるいは宇宙開発など、未知の世界に広がる技術にも発展的に活用されていることに着目をいたしまして、これからの子供たちが自ら実感をし、楽しみ、学習が行えるような体験型の要素も取り入れて、子供たちから高齢者までの幅広い方々が十分満足していただけるような、利用していただけるような、しかも繰り返して見に来ていただけるような博物館を目指してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 具体的な手法として、最近の映像技術とか、シミュレーション装置などをふんだんに使ってみたらどうかという御提言もございましたけれども、全く同感でございまして、そういった最近の博物館でどんどん取り入れられております最新の技術といいますか手法を駆使して、本当に楽しい博物館として構築できるようにしていきたいと思っておるところでございます。 博物館の設置を考えるゾーンについてでございますが、博物館のそういった性格を考慮し、科学技術の知識の啓発にふさわしく、憩いの場としても適切な環境を有し、なおかつ、陸海の交通の便が良好な場所がいいのではないかというふうに考えておりますし、また歴史の視点から、入船山記念館、あるいは歴史の見える丘、あるいは、これから整備を考えておりますアレイからすこじま、さらには、周辺の町のいろいろな類似施設との連携が図れるようなゾーンを考えていかなければいけないと思っておるところでございます。 博物館の設立に向けた現在の状況について少し申し上げておきますと、博物館の構想をより具体化させるためのいろいろな準備作業を進めておるところでございまして、何といっても貴重な造船関係資料を早く収集しておかなければいけないということで、各方面に話をいたしまして情報を入手したり、あるいは資料収集作業に取り組んでおるところでございますけれども、そういったことをもとにいたしまして具体的な構想を詰めるに当たりましては、国、県を初め、そういった博物館のことに大変お詳しい学識経験者の方々の御意見を聞いたり、あるいはまた、議会を初め市民の幅広い方々の御意見も十分に聞いて、構想の詰めを進めていく必要があると、このように考えておるところでございます。 それから、もう1点、申し上げます。 魅力のある観光ルートの新設について、提言を含めての御質問でございましたけれども、平成4年度より呉市を中心とした1市15町と商工会議所、観光協会等民間団体で構成いたします呉地域観光連絡協議会を設立をいたしておりまして、共同で観光パンフレットの作成とか、観光宣伝隊の派遣、観光ルートツアー等の事業を広域的に行っておるところでございます。特にモデルとなる観光ルートにつきましては、観光パンフレット等で案内をいたしておりますし、新しいルートの新設につきましては、毎年協議会の部会におきまして、各地域の観光資源を有機的に結ぶなど開発に努めておるところでございます。そういった中で、平成7年度には「のんびり島めぐりコース」「陶芸と筆づくりコース」「フラワーアレンジ体験コース」の3つのルートツアーを実施いたしまして、多くの方々に参加をしていただきました。中でも、のんびり島めぐりコースというのは、瀬戸内海の多島美をクルージングによって楽しんでいただくというもので、大変好評でございました。また呉観光協会においても、従来から旧海軍の施設をボンネットバスで巡るツアーを実施いたしておりまして、これも大変人気を博しておるところでございます。 今後とも観光資源の発掘とか、より有効な活用とか、また、新たなルートの開発とかPRに努めまして、将来的にはそういったものが民間の事業として運営される運びになるように、先行的にいろいろな努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。 ◎教育長(森功君) 森岡議員さんの学校と地域のあり方についてお答えしてまいります。 子供たちは地域社会の中で様々な教育的な影響を受けて育っております。学校がその機能を十分に発揮するためには、地域の方々の専門的な知識や技能をしっかり活用させていただくことだと考えております。小学校、中学校では、社会科、理科等の授業における専門的な知識や技能を持っておられる地域の方を招いての取り組み、わら草履づくりや、その地域の昔の遊びなどの体験的な活動を行っているところでございます。呉豊栄高等学校におきましても、地域の方を講師として迎え、郷土料理づくりを通して交流を深めているということもございます。今後、学校の教育活動や中学校の部活動につきましても、どのような分野で地域社会の人々の協力、支援が得られるかなど、開かれた学校づくりに向かっていろいろと方法を考え、取り組んでいく所存でございます。 次に、学校開放の推進についてでございますが、学校の施設、機能を、子供やその家族を含めた地域のニーズによって、スポーツ、文化や学習の場として提供することは、生涯学習を推進するという視点からも有意義なことだと思っております。これまでも学校教育に支障のない限り、体育館や運動場などを地域住民の方々に利用していただいているところでございます。 さて、御指摘の図書室等の開放につきましては、管理運営などの様々な問題がありますが、これから前向きに検討を重ねてまいりたいと存じております。何とぞ御理解を賜りますようお願いいたします。 次に、地域の人たちとのかかわりについてでございますが、子供たちの生活は学校ばかりでなく、家庭や地域社会での生活すべてから成り立っております。また、豊かな人間として育つには、子供1人1人が知・徳・体のバランスのとれた成長が必要であり、学校が適切に教育活動を展開するためには、家庭、地域社会との密接な連携が不可欠でございます。そのためには、学校自らが社会に積極的に開いて、学校が持っている問題、置かれている状況などを地域社会の人々に理解してもらい、地域社会が持つ多様な教育力としての人、物、自然などを生かすことが大切であると考えております。いずれにいたしましても、学校は地域あっての学校でございます。このことは肝に銘じて頑張る所存でございますので、御理解のほどよろしくお願いします。 ◎福祉保健部長(堀久真君) 私は、3点目の高齢者福祉につきましてのお尋ねでございます。 まず、お年寄りのいきいきライフについてのお尋ねでございます。お年寄りがいつまでも住み慣れた地域で暮らせることができますよう、各種の幅広い福祉施策を展開してまいってきております。 しかしながら、議員仰せのように、地域に密着したきめ細かいニーズがありますことも事実でございます。こういったニーズへの対応につきましては、時代とともにより熱心に、地域単位で老人クラブや民生委員協議会、社会福祉協議会等におきます地域福祉活動、あるいはボランティア活動、この中によりまして取り組まれているのが現状でございます。 呉市といたしましても、より強力な絆を持っていただくため、地域で支え合う仕組みをつくることが大切であると考えまして、本年度地区社会福祉協議会など地域の団体の協力を得まして、地域での見守り体制づくりに取り組むことといたしております。その中で、元気なお年寄りを含め、地域住民が援助を必要とされる方の手助けを行うシステムをつくりたいと考えております。 また、社会福祉協議会におきましては、福祉関係のボランティア活動を支援いたしますボランティアセンターがございます。議員御指摘のことをお年寄りのボランティア活動と位置づけまして、これから支援していくことも可能であるのではないかと、このように考えております。 いずれにいたしましても、呉市といたしましてできる限りの援助は惜しむものではございませんので、この点御理解願いたいと思います。 続きまして、福祉会館の利用計画についてのお尋ねでございました。 福祉会館から福祉事務所、西保健所の移転後における利用計画につきましては、従来から御答弁申し上げてきておりますように、福祉会館が本来の機能を果たすことができますよう、現在検討を進めておる段階でございます。福祉会館につきましては、議員仰せのように、今後ともお年寄りや障害を持った方々はもとより、全市民の福祉向上に寄与していくものにいたしたいと考えておりますので、議員お尋ねの利用計画の報告等につきましては、あとしばらくお待ち願いたいと思います。よろしくお願いいたします。 それから、現在の総合福祉会館という名称をもっと明るく夢のある名称に変えたらどうかというようなお尋ねであったかと思います。私自身といたしましては、福祉に関することでは非常にわかりやすい名称だと現在は思っております。総合福祉会館ということで思っておりますけれども、今後は議員仰せのように時代に合った名称が必要とあらば、やはりこれも今後検討していきたいと、このように考えております。 以上です。 ○議長(増本勝己君) 再質問があればお願いします。 森岡君。 ◆6番(森岡淑子君) 歴史の見える観光事業につきまして、数多くの観光資源があり、広域的な観光行政を進めていくという市長さんの答弁に対し、強く意を感じました。本当にこれはそのようにしていただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。 それから観光事業の件なんですが、私の調査不足で非常にいろいろな観光ルートがあるということは、私が本当に調査不足で申し訳ありませんでした。そのことに関しましておわびいたしますけれども、これが今までの民営の観光のPRと少し違いまして、市政だよりのみにただ1回だけ載せるといった具合ではなかったかと思います。私が知らなかったということもありますけれども、呉駅とか市の観光課にいろいろなパンフレットが置いてあるということを初めて聞かせていただきまして、今度は皆にそういうことで広めていきたいなと、そのように感じております。 市長さんに対しては、とにかく海事博物館──済みません、順不同になりましたけれども、子供からお年寄りまで本当にみんなが、どういう目からでも楽しめるようにしていただけるということで、本当に今日は自分なりに満足のいく答弁をいただいたと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 教員の意識改革についてですけれども、教育とは、先ほどおっしゃいました「前向きの姿勢」っていうことが、本当にこれが積極的なのか消極的な答弁なのかよくわからないところでありますけれども、私といたしましては、子供というのは1日1日と目まぐるしい成長を遂げております。またあした、また長い間、「検討」「検討」っていう言葉で毎日毎日が過ごされていきますと、1年、2年すぐたってしまいます。その間に子供はどんどん成長していきます。そのことを踏まえながら、じゃあ今の子供たちにとったら「先に検討されます」と言われて、先の子はいいですけれども、現在の子供はどうなるかっていうようなことがちょっと疑問に思います。そういう意味を踏まえまして、まず具体的な何かを1つしていただきたい。例えば、授業でいいますとモデル授業なるものがございまして、どこかにモデル事業を行う。学校におきましても1つのモデル校をつくっていただいて、その中でいろいろな教員の意識改革から含めて、校庭開放から始まって学校開放、いろいろな教室開放って、今私が述べましたようなことを、1つの学校でモデル的にやっていただいてみるっていうようなことは考えられないでしょうか。この点、ちょっとお聞きしたいと思います。 いきいきライフの場合の件ですが、飛びますけれどもいきいきライフは、私は、昨年の9月議会で多分このような、同じようなことを述べたと思うのですけれども、これ、いきいきライフだけは後追い行政っていうものが必要ではないかと思います。お年寄り自身が考えて行動を起こされたとき、惜しまずの援助をしていただくことが、お年寄りの自立を促し、押しつけのない、無理のない、行政にお願いができたという結果になるのではないかと思います。先に行政をしていきますと、要するに押しつけになりまして、お年寄りの方が上からやられたっていうような考え方しか持たないと思いますので、その点、後追い行政の方をよろしくお考えくださいますようお願いいたします。 で、福祉会館の利用計画は、市民の方々がいろいろと考えて、悩まれて、本当にどうなるのだろうかって言われる前に、先に、本当を言うと一日も早い検討をしていただいて、こうこうこうでこうですよっていうようなことが、いち早く市民のみんなに安心して、例えば今、福祉会館を利用されている方が追い出されるのではないかというような危機感も持っていらっしゃいます。そういった方々のためにも一日も早く、「大丈夫かもしれませんよ」なんていうような返事では、その人たちにとって死活問題になりますので心配されていることは確かです。で、そういう考え方の、市民のみんなの考え方を踏まえて、いま一歩考えていただきたいと思います。 私、性格的に非常に温和で素直なものですから、皆さんの「前向きな答弁」という言葉に本当に深く感動いたしまして、そのとおりに受け止めたいと思うのでございますけれども、いろいろ周りの関係から、何かああいう言葉は理事者側の言葉だというふうな考え方を、ああいう言葉はないと思えっていうようなことをいろいろ耳に入りますので、その点ちょっと、一言今述べさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。 ◎教育長(森功君) 前向きに考えてまいりたいと思いますが、今までも研究指定校とか、研究協力校とか、そういったものを持ってまいりました。その中には、例えば学校図書館の教育についてのそういう協力校を持ったことがございます。そういうものの発展の中で、結果としてモデルになりゃあなあというようなものができればと、こういうふうに思っております。ですから、議員さんのおっしゃることをしっかり体して頑張ってみたいと思います。 ◎福祉保健部長(堀久真君) 再度福祉会館の利用計画、あるいはいきいきライフ、こういったことのお尋ねだったと思います。私も心から福祉の心を持って対処しておりますので、優しく利用計画につきましては今後検討させていただきたいと思いますし、お年寄りの後追い行政、こういったことも非常に心にしみるお話だったと思います。これから頑張ってやりたいと思いますので、よろしくお願いします。 以上です。 ○議長(増本勝己君) 再質疑ありませんか。いいですか。 ◆6番(森岡淑子君) もうよろしいです。 ○議長(増本勝己君) 以上で森岡君の一般質問を終わります。 これをもって各会派代表による一般質問は終わります。     ────────────────────────────── ○議長(増本勝己君) 以上をもちまして本日の日程はすべて終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 ありがとうございました。            午後1時49分     散   会 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。       呉市議会議長  増 本 勝 己       呉市議会議員  橋 本 良 久       呉市議会議員  谷 本 誠 一...